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11万km走行w1SAクランクのOH 番外①

オーナーのUさんの準備が整い、本日ケースにクランクを組込みました。
サイドベアリングはもちろん、スタットボルトも全て新品に交換デス。

サイドベアリングを圧入後、タイミング側ケースにクランクを圧入したところです。忘れないでカムシャフトをセットします。


Uさんがドライブ側ケースの合面に液体ガスケットを均一に塗布しています。
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専用工具を使って慎重にドライブ側ケースを組付けます。
この工具は分解と組立て共用で、組付けの時はベアリングのインナーレースを押す構造になっています。
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ケース合面をナットで対角線方向に均等に締付けます。
そしてケースを正立させ、クランクが軽く回るよう微小にシャフトを押し引きして位置を決めます。
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組付けが完了! クランクの回転も軽いとUさんも満足です。あとは自分でジックリ組立てるそうです。
ヘッドはガイドを入替え中とか。あと11万キロ走るらしい・・・ 完成が楽しみデスネ~!
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11万km走行w1SAクランクのOH⑦(最終回)

クランクの芯出しが終了したらオイル通路のメクラを組付けます。
メクラは6角孔つきタイプの新品に変更します。
これにより締付けが確実になるのと、後日緩める時の作業が容易になります。
途中で緩んでは大変なので、ネジロック剤を薄く塗って確実に締付け、軽くポンチでカシメます。


最後にバランスチェックをします。
チェックの方法は、バランス台にクランクAssyを乗せ、コンロッド小端部孔にダミーウエイトを取付けてクランクがどの位置でも静止するウエイトの重さを割出します。このクランクのウエイトの重さは整備前と同じ358gでした。
今回の整備では、バランス調整や重量合せをしていませんから、バランスは整備前と基本的には変りません。
(単気筒や2気筒360度クランクのバランスは「バランス率」で判断されますが、それについては次の機会に・・・)
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このバランス台は、本来、研削砥石のバランスを取るのに使われるものですが、
割と測定精度が良いのと、クランクの安定が良くて使いやすいので長く愛用しています。
普通、クランクでは「ナイフエッジ型」がよく使われます。
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これでクランクは完成しました。
手前にあるのはバランスウエイトです。微調整は小さなマグネットや粘土を使います。
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Uさんのw1sがこのクランクでどんな走りをするか楽しみですネ。
もう11万キロ走って欲しいっス!


11万km走行w1SAクランクのOH⑥

クランク組立て第二工程。
第一工程で組んだクランクを下方に、タイミング側クランクとコンロッドを上方にセットします。
圧入部分以外に力をかけたくないので、バランサーの下には「受台」を入れます。
(馬を噛ませる・・・と言ったら余計解らなくなる?)
そして圧入開始!



圧入が終わって上のプレートが戻ったところ。
(コンロッドのサイドクリアランスはストッパーで決めます)
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組み上ったクランクは偏芯検査器で芯振れを見ます。
この時点で芯の振れがないものはほとんどありません。
いわゆるクランクの「コの字」に出る開きや潰れのせいなのですが、何回か調整しながら芯を出していきます。
この開きや潰れの度合いはクランクによってみな違います。
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調整の結果、このクランクの振れはドライブ側・タイミング側ともに1/100mm以内に入りました。
この値はベストに近いもので、全てのクランクがこのレベルで出るとは限りません。
次はいよいよ完成です。

11万km走行w1SAクランクのOH⑤

組立てに入る前に左右のクランクが単体で芯振れがないか確認します。
エンジン分解時にシャフトの端を傷めたりすると振れが出て正確な組立は出来なくなります。
いくらWが丈夫とはいっても無理な力を与えるのは禁物です。
シャフト自体が曲がっている場合もありますがそれはごく稀なことです。
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組立て第一工程。
ダイセットにセットされたバランサーとクランクドライブ側。
両者にズレがないように正確にセットして、ゆっくり圧入していきます。
(初期に比べ、ダイセットも改良し精度が上がりました)
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クランクドライブ側の圧入が完了したところで芯ブレを確認します。
特に異常がなければ、ここでの芯ブレは0.5/100mm位に入ります。
上流の工程ほど正確に進めないと完成時の精度は期待できません。
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11万km走行w1SAクランクのOH④

大端部内面をホーニングしたコンロッド。
幸い、変色していた部分は軽いホーニングですぐに消えました。
内径は楕円やテーパーもなくてほとんど真円に近い状態です。
このあたりはwのエンジンの耐久性の高いことを証明するところで、つくづく関心させられます。
小端部のブッシュの状態もいいので、そのままいきます。


クランクシャフトタイミング側。
洗浄後にピン部分をラッピングしました。
一部変色していたピン表面も軽いラッピングですぐにきれいになりました。
ピン径を測定して、締め代およびニードルのクリアランスを確認します。
結果は良好!! コンロッドと同様です。
(メクラのねじ穴は再度軽くタップを通しておきます)


同じくクランクシャフトドライブ側。
こっちのピンもラッピングできれいになりました。
ピンの真円度も良好です。外径もほとんど減っていおらず、ニードルのクリアランスも良好です。
(圧入部分の径は数ミクロン小さくなっていますが、これはどのクランクもそうなっています)


測定が済んだ後、それぞれの部品はもう一度洗浄して組立てに進みます。

11万km走行w1SAクランクのOH③

分解したクランクを洗浄する前に、オイル通路の上下2つのメクラを外します。
メクラは緩み防止のため頭部を2箇所ポンチでカシメられていて、
うまく外すには、カシメ部分を少しだけリューターで削ってからドライバーで注意深く緩めます。
慎重にやらないとマイナス溝が痛んで廻せなくなり、かなり厄介なことになります。

外した後の洗浄の様子は省略しますが、
硬く詰まっているスラッジを徹底的にほじくり出して何回も洗浄し、残っていないことを目視で確認します。


洗浄後のパーツを順次確認していくと、

バランサーは、穴のスラッジだけでなく下方の肉抜き部分の汚れもしっかり落とします。
きれいになったところでクランクピン圧入穴の内径を測定し締代を確認します。


ケージをよく洗浄した後にニードルベアリングを新品に交換。

11万km走行w1SAクランクのOH②

ドライブ側クランクピン
表面に剥離は見られないがニードル転動面は少し茶色に変色している。
他のクランクと比較すると、変色の度合いは強い。


タイミング側も同様のレベル。
ニードル転動部から上側に少し離れた線はサイドワッシャーの内角が当った傷跡。運転中のクランクのストレスの強さが推測される。その上の線はバランサーとの圧入の境い目。
2つの線はすべてのクランクで見られ、このレベルでは問題にならない。


対するコンロッドの内面。
剥離はないが、クランクピン同様に内面のニードル転動部は少し変色している。


ニードルベアリング。
ニードル表面の当りも強い。

11万km走行w1SAクランクのOH①

お客様より依頼を受けたw1SAのクランクOH。
オーナーのUさんは父親から引継いだSAを乗り続け、現在の走行距離は11万km!
親父さんは1971年に新車で購入、3万km走って2000年に息子に譲り渡したと言う。
w1ではよく聞く話ですが羨ましいですネ。11万km走行の現役は素晴しい !!

今回、Uさんは自分でエンジンのOHを決行、弊社がクランクのOHを担当することになりました。
早速分解して各部の点検に入りました。
このクランクのバランサー(センタークランク)には調整穴が開いておらず素性がいい。


懸案のスラッジは他のクランクと同レベル。特別多くはない。
スラッジンの量は日頃のオイル管理や乗り方など色々関係しているのでしょう。
写真はバランサーの穴(クランクピンが圧入される)に溜まった半月状のスラッジ。
遠心力のせいでこのような形に堆積する。


スラッジを拡大した写真。
両側から圧入されたピンとピンの隙間に堆積している。
塊で崩れるとクランクピンやコンロッドにダメージを与える。

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U-CRANK
(ユークランク)

〒418-0006
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代表 植澤 勉

TEL:090-1863-8414
FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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