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「ブランチヘッド」に近づきたい・・・

『金属、つまりメタルに馬力は存在しない。馬力はあくまで空気とガスで発生するものだ。エンジンはその馬力を取り出す道具に過ぎないんだよ』

ハーレーの「ブランチヘッド」、生みの親であるジェリー・ブランチの言葉です。(クラブマン№30)

名チューナーが作り出すヘッドは、ポートや燃焼室形状を徹底的に見直して高い性能を誇ります。
多くのガスを吸排気するポートと圧縮ガスを素早く燃やす燃焼室を備えたヘッドは馬力が出る。


W1もそんなヘッドを目指すところですが、
先ずはバルブとシートの気密、オイル下がりなどしないガイドの作り込みでしょうか・・・
これらを満たせばレスポンスの良い走りと魅力的な排気音が蘇ります。
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W1Sヘッド、Φ8バルブ ガイドの打替え


当然ですが、W1Sのヘッド修理も半分くらいきます
バルブステムの径はΦ8と、SA・W3のΦ7より1㎜太いです。
今はリプロパーツで新品バルブが出ますが、しばらく前までは手に入りませんでした。
Φ8は今となっては小型トラック並みのステム径ですが、丈夫なので、ステムも再研磨して使ってきました。

バルブガイドの方は、最新(現行車)のステムシールが使えるように製作して打ち替えます。
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バルブの方は、ステム径を最小限研磨して状態を良くします。
古い付き合いの研磨屋さんがセンターレスで研磨してくれます。(感謝)



それに合わせてガイドの孔径を仕上げれば納得する隙間に出来ます。
バルブの研磨は、フェース・ステム・トップと研磨尽くめですが、一皮むけて新品状態です。
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ステムを研磨した跡が分りますね。
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研磨でステムの径は僅かに細くなりますが、コッターは細い部分でステムを抱くので、座りに影響は無いです。



ガイドの頭部はステムシールに合わせて製作します。
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軽くヘッドを温め、ガイドの方を液体窒素で冷やして打込みます。
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孔の内面は、ホーニングの跡が僅かに分かりますね。


ステムシールを組み込んでバルブを嵌めた吸気側。
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そして排気側。
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スプリングをセットしました。
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ちゃんと直せばしっかり治るのがWですね。










W1Sヘッド、ガイド打替え整備の様子(最新)

W1Sヘッドのガイド打替えの様子。 まずバルブから。

幸い、バルブステム(Φ8 )の摩耗が少なく曲りも無かったので、根元まで研磨出来ました。
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更に、傘部とステムエンドを研磨しバルブは完成。 これに合せてガイドを製作します。
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最近のガイド頭部の様子。 相棒が改良を加えてくれています。
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ステムシールの噛み込みを良くする為に表面に小さい溝が入ってます。
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ステムシールを組んでみると、しっくり奥まで噛みついて安心感が増します。
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現代版ステムシールの組込みで、当分絶好調を保ってくれるでしょう。
適切なバルブ隙間とオイルシール・・・そしていいオイルですね。
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気になる燃焼室側はノーマルでした。
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ガイド入替えのその後

3年半前にガイド入替えしたお客様の車両が里帰りしました。
この間の走行距離は12,000km、ロッカーカバーの合面からオイルが滲んできたので、ここでヘッドを外してチェックしました。

燃焼室はよく焼けている方ですね。
バルブとガイドのガタも出てませんでした。



左サイド(#1)のシートとガイドの様子。
排気シートは多少カーボンを噛んでますが、当たり幅は吸気ともほとんど変わってません。
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そして右サイド(#2)のシートの様子です。
こちらも同様です。
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バルブのフェース面もいい状態です。
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吸気バルブのフェース面。
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排気バルブのフェース面です。
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ステムエンドも問題ないですね。
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整備記録を見ると、バルブは新品に替えてはおらず、再研磨して組み込んであります。


オイル滲みはネジ穴の修正で対応します。
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これ位の走行距離でバルブやガイドが減っては困りますが、
ガイドのガタが少ないと摩耗しにくいことが改めて確認できました。
Wはしっかり整備すると簡単には崩れないようですネ~(嬉)




















W1S ガイド入替え・バルブ研磨

Sのバルブです。 
傘が湿って、オイル下がりしてますネー。
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ステムがΦ8もあって小型トラックなみ・・・ これもW1Sの象徴ですネ~。


シートの当りも広くなっています。
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バルブステムも偏摩耗が進んでいますね。
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ガイド穴が摩耗してバルブはガタガタ。
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バルブが暴れながら往復してるんですネ~。



バルブガイドを製作・打ち換えました。
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ロッカーカバーを締付けるM8のネジ山も全てヘリサートを入れてあります。


バルブは、曲がりがなくフェース面の摩耗も少ないので再使用。
今回はステム外周もセンタレス研磨で修正しました。
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ステム径が僅かに細くなりますが、ガイド内径はそれに合わせるし、Φ8バルブではコッターの座りも影響ないですネ~。
研磨してないのは傘の裏表だけ・・・。(焦)



ステムとガイド孔がシックリしているから、シートの当りも申し分ないです。
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ステムシールはチョット緩くなる勘定だけど、フリクションが減ってイイですネ~。・・・(汗)
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バルブガイドは重要! 摩耗してたら即打ち換えデス!
Φ8のバルブはまだまだ働いて欲しいっス。









マフラーから煙を吐く原因は Ⅲ

交換のためにW3ヘッドから抜き取ったバルブガイド。純正です。
材料は高価な銅合金です。 それも考慮したのでしょう、外径はΦ16とたっぷりとってますネ~。



上部端面はフラットになってます。 W1S当時と比べ、ステムシールの性能が上がったためでしょうか。
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捨てるのはもったいなく、 削り直して他の機種に使いたいですネ。



別のヘッドには鋳鉄製が入ってました。
社外品のようですが、形状は純正と同じすね。(純正に鋳鉄製もあったかも・・・)
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そのガイドの上面です。4本のうち3本は穴の端が大きく面取りされてました。
エンジンを知っている内燃機屋さんならこんな加工はしませんネ・・・。やはり社外品でしょうね。
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乱暴に修理されたヘッドもありました。
元々のガイドの中をくり抜いて、鋳鉄製のガイドが打込まれてありました。
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ヘッド側も変形してイビツな穴になっています。 キズやオイルの浸入痕もありますね。
このまま新しいガイドを打込んでも後で締めつけが怪しくなるので、孔を修正します。
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かつての強引な修理の影響で、ガイド孔までボーリングする結果となりました。



マフラーから煙を吐く原因は Ⅱ

こちらはW1Sのヘッド。ステム径がΦ8のタイプです。
やはり燃焼室が湿ってますね。



ポート内はカーボンがいっぱい。 ガイドの周りが湿ってる。
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こんなふうにガイドの先端が磨耗するんですネ。
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ガイドの頭は凝った形をしています。オイルを切るための工夫でしょう。
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吸気バルブ、シート当り面の磨耗が大きいですね。 ガイドの中でバルブが暴れてる・・・
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排気バルブも同様です。 当り面はカーボンを噛んで黒く光っています。
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ステムエンドも磨耗しています。
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ガイドの打込みが完了。 ガイド頭部の形状がΦ7バルブ用とは異なります。
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隙間を小さくするために、真円度・円筒度・面粗度に最大限拘ります。
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ステムシールは自動車用を流用。 以前より小ぶりになりました。
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バルブは研磨で再使用できました。 Φ8ステムは磨耗が少ない・・・!?
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Φ8バルブはコッター溝が長いので、シールのリップが架からないように要注意デス。
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無事に組み上がりました。
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マフラーから煙を吐く原因は

バルブガイド打替えの問合せが多いです。
煙が出てマフラーが濡れる。オイル消費も多いとのこと。
最近修理した例でヘッドの様子を紹介します。(SA~W3用Φ7バルブ)

燃焼室がカラッと焼けていません、オイルが進入して燃えているのでしょう。 貴重な02を消費してる・・・
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ドライブ側(左側)の燃焼室。吸気バルブの周りが濡れています。「オイル下り」していますね。
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タイミング側(右側)は全体に湿っています。 どちらも「オイル下りと上り」の両方でしょう。
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スプリングを外し膠着したステムシールを取るとバルブはガタガタ。ガイド隙間が大きいのが分かります。
ここからポートにオイルが降りていくんですね。
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吸気バルブの傘に着いたカーボン。
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排気バルブはスゴイ! シート当り面にもカーボンを噛んでいます。
燃焼ガスのシールもままなりませんね。
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吸気ポートとシート。
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排気ポートとシートです。 大量のカーボンが堆積ています。
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修理にかかって、
バルブはカーボンを落し、フェースとステムエンドを再研磨します。
ステムの磨耗が多いときは交換しなければなりません。
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特製ガイドです。 打込み前後に孔をホーニングしてバルブとの隙間を最小に仕上げます! 
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新しいガイド孔を基準にきっちりシートカットします。
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新しいステムシールは純正パーツ。 抵抗が小さくしっかりシールするように進化を続けています。
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これで「オイル下り」に対応しましたが、併せてシリンダー・リング・ピストンの「オイル上り」対策が大切です。

Φ8バルブのコッター溝

ガイド入替えしたw1のヘッドです。
シングルキャブ、バルブステム径はΦ8です。



ステムシールは自動車用を流用してあります。
Φ8バルブは、ステムのコッター溝幅が広いので、バルブリフト時に溝のエッジがシールのリップに架からないよう要注意です。
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左がΦ7(SA後期以降)、右がΦ8の吸気バルブです。
Φ8のバルブのコッター溝幅が広いのがよく分りますネ~。
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コッターをあてて見るとご覧の通り・・・
溝幅がどうしてこんなに広いのでしょうか?
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リテーナーを組んで見ると、エッジ部がずっと下に。
何か訳アリなのでしょうね・・・
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ちなみに、Φ7のバルブヘッドにステムシール(純正)を組んだ様子です。余裕ありますネ。
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バルブガイド入れ替え

お客様からの依頼でバルブガイドを入れ替えました。材質はベリリウム銅です。
抜取った古いガイドと同じ形状に製作、外径は締め代をつけ、孔はホーニングで仕上げます。


ヘッドへ打込んだ後、もう一度軽くホーニングをかけて圧入による孔の変形を修正します。
これによって、ステムとの隙間が小さくてバルブの動きがとてもスムーズな孔に仕上がります。
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その後シートカット、バルブ摺り合せをして加工は完了です。
せっかくガイドを替えたのでバルブも新品にしました。

マイクロメーターで内径を測定し孔の真円度と円筒度を確認します。
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ガイド孔のコンデションはエンジンが長く元気に回るために最も重要なポイントです。

バルブを仮組して燃焼室の容積を測定します。
左右の容積に差がある場合は修正して合せます。
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燃焼室の鏡面仕上げ

w1河口湖ミーティングで展示したW1SAのヘッドです。燃焼室の表面を磨いて鏡面仕上げしてあります。
整備上絶対に必要な加工ではありませんが、オプション加工の一例として展示しました。
燃焼室を磨く効果は色々ありますが、ごく僅かですが熱効率が高くなることが上げられます。
鏡面化することによって燃焼室表面の凸凹が滑らかになり、燃焼室の表面積が小さくなります。
そうすると、燃焼ガスの熱はヘッドへ伝わる分が少なくなり、ガスの温度を高く維持できて熱効率がよくなります。
この効果はカーボンが付いても有効で、「初めだけ」ではないのです。


体感的には、排気音がマイルドになってエンジンがやわらかな燃焼をしている様に感じます。(抽象的?)
日頃W1の排気音にシビレているオーナーはますます恍惚感に浸るかも知れませんね。
これはもうお勧めの加工です!
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ハーレーの世界でも、「ブランチヘッド」という有名な社外ヘッドが売られてまして、燃焼室形状も変えてありますが、表面はこれでもかというくらいピカピカに仕上げられてありますな。
このヘッドに換えるとエンジンは別物になるそうです !?。一度味わってみたいですね。

バルブガイド交換

W1SAの整備も大詰め!バルブガイドの交換が終了しました。
写真は完成したヘッドと抜き取ったバルブガイド。

新しいガイドはベリリウム製です。元の純正ガイドとは少し色が違いますね。
それにしてもガイドの外径が太い! これも耐久性を考慮したためでしょうか。
今回、バルブとも新品にしました。(ステムが偏磨耗していた)
おかげで隙間もしっくり。シートカットも済んで、バルブの動きも非常にスムーズになりました。
エンジンが性能を発揮するためには、ガイド穴がしっかりしていてバルブがブレないことが極めて重要です。


この燃焼室を見ていると昔のトライアンフT120を思い出しますナ! トラのはもっと深いけど。
吸排気ポートとのレイアウトなんかそっくりデス!

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(ユークランク)

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代表 植澤 勉

TEL:090-1863-8414
FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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