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W3腰下の整備⑳

最後に、お預かりしたピストンとシリンダーを組込みます。

このピストンは既に1.0OVサイズです。
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純正ピストン、オイルリングは3ピースタイプです。



Yカバーとオイルパンを付けていよいよ完成! 
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一目で判るWの顔! いつ見てもいい形デス。
ほどよく磨かれて・・・オーナーのセンスを感じます。
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いつまでもいい走りをしてほしいですネ~!
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W3腰下の整備⑲

続いてギヤの組み付け。

クランクシャフトピニオンとカムギヤを取り付けた後、アイドラーギヤコンプリートをはめ込む訳ですが、
まずクランクシャフトとポンチマークを合わせます。
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もう一方のポンチマークをカムギヤの"A"マークと合わせます。
クランク側とカム側が同時に合うところではめ込みます。
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マークが合っているのを何回も確認したら、アイドラーシャフトホルダーを付けてしまいます。
これで一安心デス!
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続いて、コンタクトブレーカーAssyを取り付けます。
カムギヤの"B"マークとコンタクトブレーカーギヤのポンチマークを合わせて組付けます。
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順次ナットを締めてロックワッシャーの耳を起こしていきます。


続いて、ダイナモを仮付けし、アイドルシャフトスプロケット・チェーン・ダイナモスプロケットを取付けます。
ここでは、チェーンのたるみとスプロケット同士の軸方向アライメントを確認します。
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アライメントを合わせたらダイナモを本組みし、スプロケットのナットを締付けます。


最後にオイルポンプピニオンとギヤを取付けます。
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全体をよ~くチェックします。 

W3腰下の整備⑱

ギヤ類を組む前にアイドラーギヤシャフトスプロケットのダンパーラバーを交換します。
ダイナモを駆動するスプロケット、初期は一体構造でしたが、SAからダンパー構造が採用されたようです。


ラバーゴムの状況はまだ良いようですが、この際交換することにしました。
コアを向こう側へ押出すとすぐに分解できます。



これがコアの形状。
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ダンパーラバーはリプロパーツで新品が手に入ります。とても助かりますね。
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組み立ては図のようにまずラバーを噛ませます。
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プラハンでスプロケット側を少しづつ叩いて均等に入れます。
しっかり入りました。
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このような構造だと無駄がないですネ。 
後々の整備を考えて設計してくれたのでしょうか・・・(嬉)

W3腰下の整備⑯

オイルポンプの組立と取付け

オイルポンプを分解洗浄後、部品を点検します。
このポンプは、きつい磨耗個所も無く全体にいい状態です。



そうは言っても、ローター表面に異物の噛込み跡は少しあります。
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小さなバリ・突起などを取って2本の短いビスで組立てました。位置決めのCピンが効いてスムーズに回ります。
ズッシリ重い鋳鉄製ポンプ! W1エンジンの、小さいけど頑丈な心臓ですネ。
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ガスケットを挟み、4本の長いビスを軽く締めてケースに組込みます。
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クランクとポンプにギヤを仮組みして、バックラッシュを確認したらビスを本締めします。
ポンプの取付位置は少しガタがあるので、軸間が狭いとギヤがセってしまいます。
スムーズに回るためにいい位置を探して組みまス。
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W3腰下の整備⑮

続いてドライブ側ケースの組込み!

合せ面に液体パッキンを均一に塗布します。
黒い色をしてますが、長年愛用して実績のある、通称「トヨタブラック」!


ケースをかぶせ、カムが軽く回転するのを確かめながら治具でゆっくり締め込んで行きます。
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合い面が付いたら、ナットを均一に締めてケース左右一体にします。
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クランクが軽く回る位置に調整したら完了です。(詳しくは過去の記事をご参照下さい)
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W3腰下の整備⑭

クランクをケースに組込みます。 
 ※(以下の記事は改良前の組立て方法です。現在は全て焼嵌め式で組んでいます)

台を用意し、クランクをタイミング側を上にしてセットします。
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治具を使って、タイミング側ケースをクランクに組付けます。(コンロッドがケースに当らないように要注意!)
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無事に入りました。
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クランクを逆さまにしてドライブ側を上にセットします。
忘れずにカムシャフトをセットします。
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カムシャフトをセットする前に、洗浄のために外したメクラの締め付けを確認します。

W3腰下の整備⑬

タイミング側ケースをよく洗浄・乾燥させ、外側のベアリングホルダーを取り付けます。
ケースを加熱してハウジングを膨張させ、ベアリングを挿入します。
通常、ヒートガン又はストーブで加熱しますが、ケース全体を均等に加熱することが大切!
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ケースをゆっくり冷やした後に内側のホルダーを取り付けます。
皿ネジを締め付け、軽く回り止めのポンチを打ちます。
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ドライブ側も同様にベアリングを挿入。
冷えた後、ベアリングがスムーズに動くか確認します。
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クランクがスムーズに回るためには、ケース側のコンデションも非常に重要デス。

W3腰下の整備⑫

このクランクは標準ウエイトでバランスしました。
(台にくっついているのは微調整用のウエイトマグネトー)
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どの位地でも止まるウエイトを割り出します。
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バランスウエイトの重さは2気筒分で352g。分解前と変りません。
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これでクランクのOHは完了デス!
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改めて眺めると、コンロッドが長いデスネ~! 連桿比(れんかんひ):4.19
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調整穴もなくてきれいなクランクですネ!
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W3腰下の整備⑪

クランクの組立。(説明簡単にイキマス)

ドライブ側圧入後の芯ブレチェック。
位相ズレはなく、プレスで微調整して芯がでました。次の工程へ進めます。


タイミング側圧入後の芯ブレチェック。
こちらもズレはなく、同様にプレスで微調整!
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左右とも軸外周振れ1/100㎜前後に収まりマシタ!(嬉)
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圧入完了です。
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上下のオイル通路メクラを締めたらバランスチェックへ進みます!
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W3腰下の整備⑩

組立て前のチェック。

小端内径。
ピストンピンとの隙間を確認します。
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大端内径。
ニードル径とクランクピン径を基に、適切なクリアランスになるかチェック!
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クランクピン径。
圧入部と転動部を測定します。
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バランサー孔内径。
圧入代を確認します。
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ニードルを新品に入替えました。
磨耗分を考慮して、純正より僅かに太く出来てます。
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W3腰下の整備⑨

腰下の分解が終了、部品の手当てと洗浄に入りました。

コンロッドは、小端のブッシュ入替えが完了したので全体を洗浄し大端部をホーニングしました。
鉄ブラシで根気よく擦ると、表面の汚れが取れて銅のメッキ層が輝いてきまス!
見違えるようにキレイになって新品のようですネ~。(毎回嬉シイ!)

ブッシュもしっかり出来ました。
内面は、ホーニング加工によりピンとの隙間も最小限に仕上がってます。
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分解時の重量と変りませんネ! こちらはドライブ側。
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タイミング側も同様デス。
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W3腰下の整備⑧

クランクシャフト単体の曲がりをチェックします。
ドライブ側の軸外周振れは1/100㎜・・・OKですね。


タイミング側も1/100㎜以内でこちらもOKです。
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これを確認しておかないと次へ進めません。


コンロッドの重量チェック。
ドライブ側は444gです。
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タイミング側は443.2です。2本の重量差は0.8g! これはかなり少ない方デス!
ちなみに、これまでの重量差の最大値は30g!
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ピストンピンのガタが大きいのでブッシュを入替えます。

W3腰下の整備⑦

クランクを分解しました。
Assyのうちに芯ぶれ・幅・バランスなどをチェックしておきます。

写真のバランサーは後期型です。 いわゆる「ダルマ型」



バランサーの孔中央部に半月型にスラッジが溜まっています。
ここはオイルが淀むところ・・・、量的には普通か少なめです。
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ドライブ側クランクピンのローラー転動面!
表面の転がり跡はチョッとキツイ方です。タイミング側も同レベル。
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コンロッド側も大端孔の転がり跡はキツ目です。
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オイルは早めに換えてるのに・・・(?)


W3腰下の整備⑥

続いてタイミング側ケースの取外し!
ケースをひっくり返してタイミング側を上にします。


ベアリングホルダーの皿ネジを外します。ショックドライバーの出番。
先にΦ2位のドリルで揉んで、ポンチで打たれた緩み止めを解除しておくとスムーズに緩みます。
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ネジ穴を利用して治具を取り付け、ケースを引き抜きます。
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これでクランク単体となりました。
W3ですから、当然バランサーは後期型デス。
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W3腰下の整備⑤

続いてケースの分解!
座りのよい台を用意して、ドライブ側を上にしてケースをセットします。
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左右のケースを締めているM8のナットを全て緩めます。
治具をセットし、(クランク)軸からドライブ側のケースを引き抜きます。
(ケースを引き抜くというか、軸を押し出すというかそんな仕組みの治具です)
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ケースが割れて(?)、徐々に抜けてきます。
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ドライブ側ケースが外れました。
写真のように、ほとんどの場合ベアリングがクランク側に残ります。
これは、インナー側よりアウター側の締めが緩いということですね。
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(この辺が結構大事な気がします)


後でベアリングを抜くのは厄介なので、この段階でプーラーを使ってベアリングを抜取ります。
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W3腰下の整備④

コンタクトブレーカーギヤをガバナーシャフトから外します。
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小さなキーとカラーを外します。
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カムギヤをカムシャフトから外します。
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キーとワッシャーを外します。
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クランクシャフトからピニオンギヤを抜取り、キーと奥のピニオンスペーサーを外します。
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ギヤ類が外れました。
最後にオイルポンプ、コンタクトブレーカー、ダイナモをを外します。
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ギヤ、補機類が外れ、クランクとケース、カムだけになりました。
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W3腰下の整備③

ダイナモ駆動のチェーンとスプロケット、オイルポンプ駆動のギヤを外します。



アイドルシャフトホルダーを止めている3本のビスを緩めます。
シャフトを残してホルダーだけそっと外します。
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クランクを上死点位置にしてギヤのかみ合い確認します。
クランクとアイドラーギヤの刻印、合ってますネ。
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次いで左上にあるカムギヤとのかみ合いマークを確認。
カムギヤ側の刻印マークは"A"です。
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そしてコンタクトブレーカーギヤとカムギヤの噛合は刻印"B"です。
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各ギヤの噛合いは合ってますネッ! 当然だケド。

W3腰下の整備②

Yカバーを外します。
中も非常にきれい! 頻繁にオイル交換されてることが分りますネ~。
ガスケットの貼り付きもありません。ユーザーはガスケットに特殊シリコンを塗って組んであるそうです。


ダイナモチェーンの張り具合も良好です!
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4ヵ所のロックワッシャーを起こし、ギヤ類を止めている6ヵ所のボルトとナットを緩めます。
クランクピニオンボルトとカムギヤナットは逆ネジなので要注意デス!
クランクのバランサーとケースの間に柔らかい金属か硬い木のブロックを挟んで回り止めにすると、静かにナットを緩めることが出来ます。
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サービスホールを利用してプーラーでギヤをシャフトから分離します。
テーパーが効いているダイナモとアイドルシャフトのスプロケットはチョッと重い。
無理をして部品を傷めないように!
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W3腰下の整備①

W3エンジン腰下整備の依頼がありました。
数年ぶりに始動したところ、異音が出たそうです。


相当大事にされていた様子、とてもキレイなエンジンです。
数年眠っていたとは思えません。オーナーの愛情が伝わってきますネ~。
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ポイントカバーはアクリルで製作されていて、旧車の象徴的なメカが見えていい感じデス!
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W3クランクのOH⑪

芯出しが終了したらクランクタイミング側オイル通路端上下2箇所にメクラをねじ込みます。
締めつけたあと、ポンチで緩み止めを打ちます。
今度緩めるのは何時になるのでしょうネ。


メクラをつけた後にクランクのバランスをチェックします。
バランスについては「クランクのバランス率」のカテゴリをご覧下さい。
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最後に、コンロッド大端部に通路からオイルを充填します。
これでクランクのOHが終了しました。
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オーナーさんのもとで快調なW3エンジンが組み上がることを期待しています。

W3クランクのOH⑩

続いて第二工程!
同様に、下側にバランサー、側にクランクタイミング側をセットして圧入を開始したところです。
今まで組んだドライブ側には力がかからないようにバランサーの下に馬(冶具)をかってます。
上側中心部に見えるバーはクランクタイミング側を固定するためのものです。


圧入が終了し馬を外したところです。
コンロッドのサイドクリアランスは、圧入時にストッパーを当てて規定内の隙間に入れます。
大端部を良好にオイル潤滑し、クランクをスムーズに回転させる上でこの隙間はとても大事です。
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圧入後、再び芯検査器にセットし、クランク軸の芯ブレをチェックします。
やはり圧入時のピンのタオレのためにフレが出ますので、両サイドのフレを見ながらプレスで押したり開いたりして修正していきます。どの部分を押すかはちょっと経験が必要です。
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このクランクはすぐに1/100mm内に入りました。
素晴らしい走りをしてくれると期待できますネ!

W3クランクのOH⑨

組立てはダイセットを使って2工程で組んでいきます。
まず、第一工程では、バランサーにドライブ側を圧入します。
下側にバランサーをセット、上側にクランクドライブ側をセットして正確に位相(上死点)を合せます。
コンロッド・ニードル・ワッシャーを組込んだあと、油圧で上側を下げていって圧入します。


圧入が完了したら、一旦ダイセットから取外し、冶具をつけて芯検査器にかけます。
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芯ブレを見て、ピンの微小なタオレがあればプレスを使って修正します。
もし位相がズレている場合は修正はできません。先へ進めないのでまた抜いてやり直します。
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位相が正しく出ていれば芯フレは1/100mm位に入ります。(嬉)

w3クランクのOH⑧

クランクの組立てにあたって、最も重要なのはニードルを組んだ時のコンロッドとクランクピンのクリアランスです。
隙間が大きいと振動が発生するし、少ないと回転が重くてエンジンの性能が出ないばかりか寿命も短くなります。
振動が出てはOHした意味がありませんから、この隙間を最も注意深く管理します。
長年走り込んだエンジンでは磨耗で隙間が大きくなっていますから、最適な寸法に収めるには、太いニードルで調整する訳です。


ピンはラッピング後の径を正確に測ります。
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コンロッド側はホーニング後の内径をシリンダーゲージで測ります。
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ニードルの径を加えて差引きでクリアランスを算出します。
隙間が小さいときはコンロッド内径をホーニングで僅かに広げ、大きいときは更にOVのニードルに換えて規定値に入れていきます。 ・・・結構大変なんスッ!

W3クランクのOH⑦

組立てる前にもうちょっと寄り道を・・・(汗)

写真はクランクドライブ側シャフト端部 !!
ボルト穴の周りに銅メッキが残っています。
これほど残っているのも珍しいのですが、熱処理の時に行われた防炭処理の名残(なごり)なのです。
コチコチになる浸炭処理だけど、硬くしたくない部分は銅メッキして浸炭を防いでいるわけですネ!



それから、もう一つ!
バランサー中心下部に空いている謎の穴、へそみたいにΦ8の穴が開いてます!
W1Sまではセンター孔も空いていたのですが、後期型クランクでは省略されて、この孔のみになってしまいました・・・(泣)
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皆さんご推察のとおり、この孔はバランサーの上死点を出すための位置決め用の孔なのデス!!この孔を使ってクランクの位相を正確に出して組み立てていく訳ですネ~。
なんせ、Wのクランクはピンが太いため、ズレて圧入されると、修正するのにでっかい銅ハンマーで叩いてもビクともしません。
ズレは修正できずにまた抜いてやり直すしかないのです。
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組立て式とはいえ、Wのクランクは剛性が高いのデス!!

W3クランクのOH⑥

ダメージがないのを確認したら各部品を洗浄します。
前にも書きましたが、左右ウエブ内のオイル通路は覗きながら徹底的にスラッジを除去します。

コンロッドのホーニングが完了したところ。
表面をブラシで擦ると銅メッキの表面が現れて、見違えるようにきれいになりマス。
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クランクピンをラッピングしたところ。
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ケージを洗浄しニードルを特製の新品に入替えます。
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バランサーは洗浄のみですが、
生産後期になって、切削面と素材のRがきれいに繋がって感触がとても柔らかくなっていると思うのですが、思い込みでしょうか・・・。
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なんかもう、今回は新品のパーツを扱っているような気分デスネ~。(嬉)

W3クランクのOH⑤

今回のクランクも、観察しているとその外観から色々な情報が読み取れます。

コンロッドの表面、大端部からちょっと上のところで色が違っています。・・・これは何でしょう(?)
下部が濃いのは、多分、クランクがケースの中で長い間オイルに浸かっていたためでしょう。
左右で高さが違うじゃねーかよと言われそうですが、・・・サイドスタンドでエンジンが傾いていたんでしょうネ。(焦)
左がタイミング側コンロッド、右がドライブ側コンロッドですから、この推測は合っていると思います。(汗)


次に、
左右のクランクウエッブの内側に写真のようなキズがよく見られます。これは何なのでしょう。
分解前から確認できますので、これは生産時についたものでしょうね。
これまた推測ですが、
これは、工場でクランク組立て時に芯出しのために打ったクサビの跡だと思います。
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このキズの場所は決まってなくて、ウエッブの横のときもあります。
クランクの組立てには高精度なダイセットで正確にピンを圧入しますが、いつもピンが完璧に垂直に入ってくれるとは限りません。僅かでも斜めに入ると芯がフレることになります。
これを修正して芯を出すために、ウエッブを開いたり押したりしてピンを垂直にしてやる訳です。
生産時にも多分、狭い部分にクサビを打ち込んで修正したのだと思います。
相手方のバランサー側にも同じ位置にキズ跡がありますのでこの推測は間違いないでしょう。
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Wは、そのようにして1台1台手作り的に生産されたのでしょうね。

W3クランクのOH④

ドライブ側クランクピンの転動面 !!
中央部分がニードルが転がった跡ですが、その両サイドの部分には製作時のクロスハッチがまだ確認できます。


相手側のコンロッド大端部内面にも僅かにホーニングの跡が残っていまス!
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ニードル表面の状態も良好!! これからというレベルデス!
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これらクロスハッチの模様は運転により徐々にこすれて消えていきますが、
まだ残っているということは、新車からあまり運転されていないクランクだと思います。

W3のクランクOH③

クランクを分解してみると・・・、
スラッジの堆積が非常に少ないです!
一番たまる場所はピン圧入孔の中央部なのですが、写真のように僅かしか溜まっていません!
これまで分解したクランクでこれほど少ないのは初めてです。
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ちなみに、別クランクの通常レベルの堆積量は写真の通りです。s80020110212+002_convert_20111002142237.jpg

ウエッブ内のオイル通路もメクラを取るとご覧の通り!オイル穴から向うが見えます。
(普通は通路内部のスラッジを取除くのに苦労するくらい硬く詰まっています)
如何にスラッジの堆積が少ないか分ります。
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これはもう、新車に近いレベルではないかと思うくらいです。いったい、何キロ走ったのでしょうネ?

W3クランクのOH②

このクランクの状態は、分解する前は普通レベルと思ってました。
シャフトタイミング側のオイル孔もご覧の通り・・・スラッジで詰まっています。
(この孔は普段サイドベアリングのインナーレース内面でシールされている)
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分解前にシャフトの芯フレをチェックします。
このクランクシャフト外周のフレはD側5/100mm、T側10/100mmで、修理前としては良い方です。
コンロッド大端部サイドの隙間もチェックします。
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W3クランクのOH①

これからWに乗りたいという20代のお客様がクランクを送ってきました。キッチリ整備して欲しいそうです。

さっそく分解してみると・・・、ほとんど走行していない、新品みたいなクランクでした。
しかも、多分、Wの中でも生産最後期のクランクだと思います。
部品を細かく観察すると、当時のWの生産現場の様子も目に浮かんでくるようです。
今まで整備した中で、一番状態が良くて、印象深いクランクになりました。

バランサー(センタークランク)形状からすると、W1S以降のクランクではありますが、
これはもう、W3のクランクですネ。



バランサー下部にドリルの孔が開いていない素性の良いクランクです。
初めからバランスの規定値内に入っていて調整孔を開ける必要がなかったということですね。
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どのような経歴をもつクランクなのか知る由もありませんが、長くオイルに浸かって保存されていたのでしょうネ…。

W3の整備③

エンジンが無事組み上がりました。
ヘッドはガイド磨耗も少なかったので,バルブ摺り合せのみで組むことができました。
ステムシールとガスケット類は新品に交換します。
エンジンはすぐに始動! キャブを微調整しアイドリング状態で約1時間回します。
その間に各部を細かく点検、異音やオイル漏れがないかチェックします。
排気音も前に比べてパンチある音になりました。



異常がないことを確認した後、数10kmの走行試験をします。
初めは3,000rpm以下に留め、少しづつ負荷を上げていきます。
エンジンの回転が徐々に軽くなっていくのが分ります。
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無事に試運転を終了!
車体各部の増し締めなど最後の点検を終了しオーナーのもとに送り出しました。
それにしてもきれいなW3!オーナーの愛情が伝わってきますネ。
長く快調に走り続けて下さい。

W3の整備②

傷んだピストンはオーバーサイズの新しいピストンに換えます。
シリンダーはボーリングして新しい真円の摺動面を造り込みます。
このシリンダーは既に0.5OVとなっており、2度目のボーリングをすると1.0OVとなります。
今回はボーリングしてもキズが深くて取り切れない心配があったので、シリンダーも交換することになりました。
写真はボーリングを済ませて組み込んだところです。
ピストンは社外品を使用しました。実績あるシフトアップ製です。クリアランスは指定の65μmにとってあります。
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シリンダーを上から見た写真。
ピストンの頭部は全加工されていてとてもきれいですネ。
鋳肌に比べ頭部の表面積が小さくなって燃焼で受ける熱も僅かに少なくなります。
書いてある数字はボーリングの時の左右識別のためのものです。それぞれのピストン径に合せて隙間を取ってあります。
摺動面は当然ながらプラトーホーニングで仕上げました。リングとも短時間で馴染んでくれます。
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W3の整備

はるばるやって来ました、とてもきれいなW3! オーナーのTさんから修理の依頼を受けました。
『エンジンは調子良いんだけれど、ちょっと煙が出る。力もいま一、音も良くない。何かおかしい・・・』
始動してみると、振動は少なく、アイドリングも低回転で安定しています。
オーナーの言うとおり、軽く吹かすと煙が出ます。排気音も歯切れが悪い。


一通り点検した後に注意深く分解していきます。
ピストンの頭部は湿ったカーボンでベッタリ。燃焼室にオイルが入っています。
シリンダーを抜いて見ると、右側ピストンのスカートが焼きついています。左側にも軽い縦キズが見られます。
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シリンダーの内面を見ると、かなり深いキズが入ってます。しかも左右とも対称に同じ位置に!
ピストンは0.5OVが入っていました。ボーリング整備されてあります。
なんと、ピストンピン外側のスナップリングが左右とも入っていません・・・
シリンダーのキズは運転中にピストンピンが出てきて当った痕だったんです。
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ピストンピンが長いお陰でコンロッドから外れずに平気で回っていたんですね。
Wのエンジンはこのような事態も考慮して設計されているのでしょうか・・・素晴らしい!
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当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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