FC2ブログ

W1クランクのOH⑥

いよいよ組立て開始!
写真は組立て第2工程を終了し芯フレをチェックしているところです。
開き・倒れを調整していくと・・・このクランクも芯フレ1/100mm台に入ってきました。正常ですネ!
20120708+009_convert_20120708203454.jpg

メクラネジを締付けたあと、バランスをチェックします。
つりあった重りの重量は366gでした。分解前と同じです。
20120708+010_convert_20120708203629.jpg

やっと完成しました!
バランス調整穴の数はなんと5個!
穴の位置は正確で、多分工場で加工されたものでしょうね。


ドライブ側からの様子・・・
このクランクはなんかこう存在感がありますネ!
20120708+019_convert_20120708203940.jpg
勝手に想像するに、このクランクは何か訳ありで、試作エンジンかなにかのクランクではないでしょうか・・・
今となっては知る由もありませんが、非常に貴重なものかも知れません。
明日、依頼主にお送りします。

スポンサーサイト



W1クランクのOH⑤

クランクドライブ側の形状はW1初期からW3最終まで変更点はないようです。
整備を進めて行きます。
クランクピンのニードル転動面をラッピングしてきれいに仕上ます。


同様にクランクタイミング側もラッピング。
タイミング側でもう一つ注意することは、シャフト先端のネジ孔はピッチが2種類あり、しかも逆ネジなことです。
ピッチはW1SまではP:1.5mm、それ以降はP:1.25mmとなっています。
前に『w1sエンジンのOH⑲』で書いたので参照して下さい。
20120702+030_convert_20120704194817.jpg


ピンのラッピング、コンロッドのホーニングを済ませ、寸法測定、最終洗浄、組立てを待つばかり!
20120702+029_convert_20120704194509.jpg
こうして見ると、46年前の部品とは思えませんネ~。
ずっとオイルに浸っていたから、垢を落とすと新品みたいですネ!(嬉)

W1クランクのOH④

続いてコンロッドの比較。
手前がw1のコンロッド。桿(カン)部の片面は浮文字がありません。
奥は比較のためのw3のコンロッド。しかもかなり後期のものです。
重量は、w3の方が20g近く重いです。どうして重くなったのか? 
形状をよく比べて見ると・・・
20120702+002_convert_20120702211929.jpg

w3の方が大端円管部リブ根元の肉が厚いですね。リブの外形も1mmほど大きい。
いつも思うのですが、このリブの形はとてもいい。素晴らしい!
20120702+024_convert_20120702212113.jpg


大端部側から見ると、リブ周りの肉の付き方の違いがより分かり易いですね。左がW1、右がW3です。
鍛造金型の識別を示す浮文字から推測すると、この部分は早い時期から補強されたようです。
20120702+016_convert_20120702212246.jpg
W1初期のコンロッドでも、大端部内径は真円を維持してますから、このコンロッドは元々剛性が高いと思うのですが、
出力増に対応して、カワサキはキメ細かく改良を加えて強化して行ったんでしょうね・・・。

W1クランクのOH③

続いてバランサーの比較!
右がw1クランクのバランサーです。
半月型でいかにもクランクの見本みたいな形をしていますネ。窪みもピン穴まで迫ってます。
中央にはセンター穴もちゃんと開けられています。(下の穴は組立の時の位置決め用)
いわゆる前期型のこの形状は最初期から途中変更されなかったようです。

左は比較のための後期型バランサー。
外観は大きく変更され、半月の角が剃られてダルマみたいな形になっています。
なんとセンター穴も廃止されています。工場で生産が進むうちに組立て精度が上がって必要なくなったんでしょうかネ~。
重量はどちらも5.6㎏でほぼ同一です。

W1クランクのOH②

分解したクランクをよく洗浄した後にじっくり観察しました。
まずクランクタイミング側ですが、
写真右側が初期型W1クランク、左側がW1S以降のいわゆる後期型クランクです。
外観形状はほとんど変りませんが、並べて見ると細部で色々違うことが解りますね。



初期型W1クランクではピン圧入部分が光っています。研磨しっぱなしですね。
大きく違うところはオイル通路! シャフト部にオイル穴が開いてません。
ちなみにストックの前期型クランクを調べてみると、オイル穴が開いているものが多いですから、穴の開いていないクランクは最初期W1のものと想像されます。
20120628+011_convert_20120628195927.jpg


後期型クランクでは、ピン圧入部分は表面にショットがかけられて曇っています。
これは、圧入部の締結力を高めるためによく使われる手法ですね。
また、早い段階でオイル通路を変更してシャフトにオイル穴を設けたのは 『フレッティング』 対策のためなようです。
"fretting corrosion" すなわち「微動磨耗」によりシャフトがダメージを受けるのをオイルを送ることで防止しているのだそうです。
20120628+010_convert_20120628200040.jpg
分解すると、この穴にはスラッジがしっかり詰まってますが、対策効果はあったのでしょう。
当時の技術者は多大な努力を払ってクランクの改良を進めたのでしょうね・・・。


W1クランクのOH①

お客様より初期型W1クランクの整備依頼を頂きました。
シングルキャブの1966年製、今年46歳!
初期のコンロッドは桿(カン)部が片側無印で角が丸みを帯びていますが、重量は後期のものより10~20g軽いです。


バランサー下部の調整孔はなんと5つ! 工場出荷時から空いていたのでしょうね・・・
重量、全幅、ロッドサイド隙間、バランス、芯フレを測ったあと早速分解しました。
20120607+039_convert_20120612060846.jpg

バランサーのピン孔中央部にはスラッジがしっかり堆積していました。
ここはオイルの流れが淀むところ。オイルの中のスラッジは遠心力のせいで中心に遠い所から堆積していきます。
長い時間が経っているせいか、スラッジは乾燥しています。
20120607+053_convert_20120612061006.jpg

タイミング側クランクピン端面。エンジンオイルは孔の奥から手前側に流れてきます。
スラッジはピン端面の隙間が一杯になるとピン孔内部にも溜り始めます。
20120607+056_convert_20120612061229.jpg


こちらはドライブ側クランクピン端面。
孔の中のスラッジはタイミング側に比べて少し多いですね。
20120607+058_convert_20120612061340.jpg
ニードルの転動面に剥離は見られず、整備はスムーズに進められます。 Wは頑丈ナノダ!!
最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

u-crank

Author:u-crank
U-CRANK
(ユークランク)

〒418-0006
静岡県富士宮市外神(とがみ)1552-1
代表 植澤 勉

TEL:090-1863-8414
FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

最新トラックバック
月別アーカイブ