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ミッションオイルの漏れ


腰下の整備が終わり、フレームに搭載してシリンダーとヘッドを組付けたところです。
チェーンケースを組付ける前の状態。



ミッションのエンジンスプロケットのナット締付について、
以前(2016.1.15)の記事でナットをあまり締めないように書きましたが訂正します。
このナットはちゃんと締めないとミッションオイルが出てきます。
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もちろんオイルシールは交換するのですが、ナットをよく締めないと、スプロケットの側面に隙間が出来て、スプラインの溝を通ってオイルが浸み出てくるのです。
カラーが回ってない場合もあります。
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「Vintage Bike W1」書に書いてある通り、構造的にここはきちりと締めるべきです。
シフトフィーリングはあまり変わらないような気がします。










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白煙・・・「オイル下がり」「オイル上がり」 ④


今日10時頃の富士山です。 静岡県側も目一杯の冠雪です。

この時期、富士宮市も寒い日が続いております。
北国に比べれば大したことはないですが、東北出身とはいえ、住み慣れた身にとっては寒いです。
加齢で血の巡りも悪くなっているのでしょう。頭の方はとっくに・・・

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白煙のタイトルのところでご紹介したヘッドですが、ガイドの打ち換えが済んで、これから組み立てるところです。
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打ち換えは相棒の内燃機屋さんでやってもらってますが、ガイドの形状は彼のオリジナルです。
打ち換えは、ガイドを液体窒素(沸点は-197℃)で収縮させてヘッドに嵌め込みます。
今は特別な方法ではありませんが、両者にダメージが無いように究極の嵌め込みです。
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吸気側ガイド。
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そして排気側ガイドです。
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吸気バルブはステムの摩耗が大きかったので新品に交換しました。
再使用の排気バルブもステムエンドは平らに研磨済みです。
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ステムシールは純正がしっかり供給されてます。
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無事組み上がりました。
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燃焼室側です。
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現代版のピストンとリングでボーリングしたシリンダーと併せて、極力「オイル上がり・下がり」のないエンジンを目指します。



















シリンダーボーリング

前回、「オイル上がり」の記事で測定したシリンダーのボーリングが上がってきました。
ピストンは現代版(シフトアップ製 0.25OV)のキットです。
(現代版ピストン・リングの効能は過去の記事をご参考下さい)


ボーリング・ホーニングが済んだシリンダーです。



「シフトアップ」製のピストンです。
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摺動面の様子。(縦傷は測定の跡で問題ありません)
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下側から見た様子。
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前回同様、測定はマイクロメーターとシリンダーゲージで行います。
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L側のピストンスカート径は、Φ74.228です。
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R側のピストンスカート径は、Φ74.226です。 ほぼ同一ですね。
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次いで、シリンダー内径の基準寸法72.250㎜をマイクロメーターでセットします。
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それをシリンダーゲージに転写します。
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ダイアルゲージの針を0に合わせます。
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設定した位置で内径を測定します。
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測定結果です。
真円度・円筒度共にかなりいい値で仕上がっています。
ピストン隙間も、メーカ―指定値の60μmにほぼ合っています。
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(測定値は気温に影響されて多少変動します。特にピストンの値は加工時に対して差が出ます)

しっかり仕上げてくれました。さすが相棒です。

整備後のエンジンの性能と寿命を決める最も重要なポイントです。




















白煙・・・「オイル下がり」「オイル上がり」 ②

次に、「オイル上がり」の原因となるシリンダー側の摩耗を調べてみました。
いわゆる「ピストン隙間」がどのくらいになっているのか、ピストンの外径とシリンダーの内径を測ります。

測定には、マイクロメーターとシリンダーゲージを使います。



ピストンはΦ74㎜のSTDサイズです。
スカート部分は焼付き跡もなくとてもきれいです。
リングは幅全体が当たって、ベタ当たりな感じですね。
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ピストンの測定点は、スカート下端から約5㎜のところ。一番径の大きいところをさがします。
左サイドピストンの径はΦ73.932㎜ 基準径Φ74.000に対して‐68μmです。
( このくらいのサイズのピストンでは、新品時で20~30μmは小さい)
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同じく、右サイドのピストン径はΦ73.926㎜ -74μmですね。
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この値には、ピストンの摩耗だけでなく、スラスト力によるスカート部の変形量も含まれているのでしょう。


次に、シリンダー内径の測定ですが、マイクロメーターを74.000㎜にセットします。
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その値をシリンダーゲージに転写します。
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シリンダー内径を測定します。 
(マニュアルに従い測定点は、シリンダー上面から10㎜、60㎜、下端から20㎜の高さで、前後方向と左右方向)
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左サイド中央前後方向、+54μmあります。
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測定結果です。
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これによると、ピストン隙間(シリンダー内径とピストン外径の差)は一番広いところで、
左サイドが122μm、右サイドが139μmとなります。
新品時はマニュアル指定の50~70μmの隙間だったでしょうから、それに対してかなり広くなってます。
しかし、前記したように変形分も含んでますから、全て摩耗分ではないでしょう。
新品時のシリンダーの内径は、今回測定した上端・下端の寸法に近いんでしょうけれど。



シリンダー内面、クランク側から見た摺動面の様子。
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中央部、ほぼ全周についている線は、長い間リングが停止していて腐食した跡だと思います。


ピストンリング下死点から下にはクロスハッチがしっかり残ってますね。
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ヘッド側から見た様子。
強く光っているところがリングの摺動した跡です。
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ピストン隙間が大きくなると、リングの合口が広がり、ガスやオイルの漏れが増えます。
ピストンの変形やリングとシリンダー摺動面の摩耗は「オイル上がり」の要因になるんですね。





























白煙・・・「オイル下がり」「オイル上がり」

大概のエンジンは古くなると、燃焼ガスが汚れて煙が出るようになります。
マフラーから煙が出るのは、各部の摩耗が進み、燃焼室に入ったエンジンオイルが燃えるためです。

燃焼室へのオイルの侵入は、バルブステムとガイドの隙間から入る「オイル下がり」と、
ピストンリングとシリンダーの隙間から入る「オイル上がり」があります。
量の差はあっても、大体は両方が一緒に起きています。

どちらの摩耗も混合ガスの圧縮を下げる原因になりますから、
コンプレッションが抜け、しかもオイルの燃焼に酸素を取られるので、出力は低下し排気音も悪くなります。
排気音の劣化はWの魅力を大きく損ねることになります。

現オーナーによると、この車両の走行距離は20,000㎞位だろうとのことですが、
エンジンの中はどのようになっているか調べてみますと・・・

これから分解するエンジンです。
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ロッカーケースを外すと、バルブスプリングの周りは高温でオイルが焼けて黒くなってます。
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ヘッドを外してピストン頭部を見ると、右サイドが濡れています。
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左サイドはまだ少し乾いてますね。
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シリンダーを抜いてみると、スカート部は焼付きはもなくていい状態です。
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燃焼室側は、乾いている方ですがカーボンが多い。右サイドが少し湿っています。
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バルブスプリングを分解した排気側。ステムシールは旧式でコチコチに硬くなってます。かなり熱を受けています。
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ステムシールを外そうとしたら砕けてしまいました。 とっくに死んでますね。
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両サイドの吸排気バルブを外しました。
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右サイドの吸気シート周りは濡れてますね。バルブの当り幅も広くなっています。
ガイド孔が摩耗すると、ステムとの隙間が大きくなってバルブも暴れながら往復します。
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左サイドはシートの様子は良好だけど、ポートの中は濡れてます。
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外した吸排気バルブの傘部。
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吸気バルブ。右側が右サイド。濡れてますね。
吸気ポートは負圧になるので、ガイドの隙間からオイルが吸われて傘が濡れます。
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排気バルブは燃焼ガスで高温になり、オイルは焼けますがカーボンの堆積がひどい。
シート当たり面にカーボンを噛んでますね。
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バルブガイド孔の摩耗は修理の大きなポイントです。





















フロントチェーンケース・ミッションからのオイル漏れ Ⅱ

新しいオイルシールです。 カラーは外周を#1000のペーパーで磨きました。
オイルシールは新品にできますが、相手のシャフトやカラーは簡単には換えられません。
リップが触る相手の面が荒れている時が多いで、事前に磨いたりします。
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シール効果を保つには、柔らかいリップと凹凸のない接触面が大事ですね。



ここのシールは比較的容易に圧入できました。 
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支障なければ、カラーを裏表に入れたり、オイルシールの圧入位置をズラしたりしてリップの接触位置を前と変えます。
整備に慣れている人はよくやる方法ですネ。


スプロケットとクラッチを仮組みしてフロントチェーンの張り具合をチェックしておきます。
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張り過ぎず、緩み過ぎず・・・ギヤボックスを動かして固定します。 張り過ぎないことが大切・・・かな


今回、フロントスプロケットを新品(18T)に換えました。 
ここはナットを最後まで締込まないでスプロケットにガタを持たせてロックワッシャーの爪を立てます。

※訂正します:ナットは、しっかり締付けて爪を立てて下さい。2020.1.27
(ガタがあると、シャフトとスプロケットに隙間が出来て、オイル漏れの原因になります )

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新品のガスケットを挟んでフロントチェーンケースを取り付けます。
ケースはクランクケースに4本のボルトとエンジンプレートに1本のボルトで固定します。
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写真は、ケース中央部裏側を上から覗いたものです。
下部がケース、上の長い棒みたいなものがエンジンプレートから出ている長い六角ナットです。
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この隙間にちょうどの厚さのワッシャーを挟んでボルトを締めないとケースが歪んでしまいます。
オイル漏れの原因になりますから、ここは注意して組みます。


ケースカバーを仮付けして合口に隙間がないかチェックします。
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ケースを横から軽くたたいてガタがないかみているところデス。(長年の習慣でついたたいてしまう)


シールプレートを取付けてボルトに緩み止めの爪を立てます。
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ここはいつもパーツリストの絵の通り組んでますが、
佐賀のNさんのご指摘のように、弓型のロックワッシャーが手前(上側)の方がいいと思います。


クランクシャフトのボルトの締め・緩めは苦労するところですが、長いエクステンションを使ってジワ~っと締めます。
クランクの回り止めに、オイルパンを外してクランクとケース内側の間に銅かアルミのバー(ブロック)を挟みます。
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これは私のやり方で、お勧めできるか分かりません。(汗)
部品にダメージを与えない方法で工夫して下さい。


インパクトレンチは緩める時に使いますが、頑固に締まっていて効かない場合もあります。
静かに締め・緩めした方がエンジンに優しいですネ。


メインシャフトのナットも同様に締め付けます。
クラッチを組んだらナットを1回転戻してワイヤーロックをかけます。
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ガスケットを新品にしてカバーを組付けます。
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チェーンケースを気軽に脱着できるようになればここの整備も苦じゃなくなります。
純正に拘らなければ六角穴ボルトもありですよネ~。































フロントチェーンケース・ミッションからのオイル漏れ Ⅰ

フロントチェーンケース裏側からのオイル漏れを経験した人は多いと思います。
どこから漏れているか特定できないのが癪ですが、ミッション下部から滴が落ちて床を濡らします。

床が汚れるのは嬉しくないので、速やかにしっかり治しましょう。


オイル漏れの原因はシールの劣化がほとんどですが、他にもないかよく探りながら分解していきます。
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フロントチェーンやクラッチの分解は次の機会にまわして、どんどん分解します。
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フロントチェーンケースとミッションには3種類のオイルシールが組まれています。

①シールプレートを外すと角断面の「フロントチェーンケースシール」が見えます。
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②シールプレートに圧入されている「TC26388オイルシール」 (写真では裏面)
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③ミッションメインシャフトの「SC405465オイルシール」
今回はこのオイルシールが原因でした。 オイルが垂れているのが見えますね。
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チェーンケース側に漏れたオイルが溜まっていますね。
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これでは、走っていると背中がオイルで汚れる~。


このオイルシールは、先にカラー(エンジンスプロケットスペーサー)を外せば容易に抜取れます。
カラーは外周を痛めないように外すことが大切。
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オイルシールを抜いてみると、リップに異物が張付いて隙間ができてました。そこからオイルが出ていたんですネ。
リップは傷んでないけど・・・あまり経験したことがないトラブルですネ~。
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この異物は何? 金属ではないので・・・シールの残骸? 












ヘッドからオイル漏れ

静岡県東部に住むFさんの愛車Sです・・・実はSA!
タンクとフロント周りをS仕様に、エキパイは「エラハリ」仕様? サイドバッグもスマートですネ~。
前オーナーが気合を入れて改装したWを引継ぎました。 綺麗ですネ~。

今回、腰上を整備、シリンダーをボーリングしてシフトアップの0.5OVピストンを入れました。 

整備が済んで、富士山登山道に慣らし運転に出かけるところデス。
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タンクバッグは替え時デスネ~。なんか外観が台無し・・・。
ワタクシ的にはタンクバッグが好きで、年代物ですが捨て難いんデス・・・(汗)



五合目入り口に到着。バッグを取っ払ってパチリ!

約25㎞の道のり。 長い坂道をユックリ登って慣らし運転。

段々エンジンが軽くなってきました。 気持ちよく帰宅してエンジンを見ると・・・
ジェジェジェ! ヘッド周りからオイル漏れ。
「シェー」とか、「ガチョーン」とか、「オヨヨ」とか歴代の感嘆詞が浮かんできて、・・・かなりなショックデス。
気合を入れて組んだのに・・・整備直後のオイル漏れは泣きです。 ドッと疲れが出ますネ(泣)


初心に帰って、ひとつづつチェックしていくと・・・結局「タペットカバー」でした。
相手のロッカーケースとの合せ面が出ていませんでした。


タペットカバーがクロムメッキされていて、きれいなんですが・・・
このメッキが合面を凸凹にしてオイル漏れを起こしていました。
定盤の上で擦ったら、孔の周りの盛上りが削れて、やっと面がでました。
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メッキの性格上、端部にメッキが厚く付き易いため、穴の周りが盛上ってたんですネ~。



整備後、朝霧高原「道の駅」まで試走しました。
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白い現像液を吹付けてオイル漏れをチェック。
オイルパイプのバンジョーボルトからまだ滲んでますネ。これもメッキの影響みたいです・・・。
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綺麗に掃除して、やっとFさんに引渡すことができました。(嬉)













一番多いオイル漏れヵ所のヘリサート修理

Wのエンジンでオイル漏れが最も多いヵ所は、ヘッドとロッカーカバーの合面です。
注意して面を出し、トルクが架かるのを確認して組んでも、試運転で漏れてくる始末・・・(泣)
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Wは生産から45年、アルミが劣化しています。
ボルトを緩めて再び締めると、ネジ山が浮いてきて軸力が保てなくなっているんですね。
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傷んだネジ山は、一般的に「ヘリサート」を入れて修正します。
ガイド入替えするヘッドは、ほとんどの場合ネジ山も修理します(12箇所全て!)

ご存知、ヘリサート挿入工具デス。 ネジ長さを確保するために、2.5D(8×2.5=20㎜)を入れます。
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専用タップを立てたあとに、ヘリサートを慎重にねじ込みます。
このような工具が無かった頃は大分失敗してました。 かなり神経を使います。
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無事に挿入したら、先端のヘソを折り、それをしつこく・確実に回収します! 
これが穴の中に残っているとイタズラしてネジ山を傷めるんです!
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修理で入ってくるヘッドには、既にヘリサートが入ってるものもあります。
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抜いてみると、1~1.5D(12㎜)と短いものが多いです。これは短いですよね。
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全ての穴に入っていた短いヘリサート。2.5Dに比べると短いのが良く分かりますネ。
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ヘリサートを抜いた後のネジ山。傷んでいるものも多いです。
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中には2重に入っている例もありました。 理解できない修理です。
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ヘリサートが傷んだ時は「エンザート」を入れますが、ほとんど最後の手段となります。
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ネジの締付けはエンジン整備の基本です。しっかりネジを手入れして、「軸力」が効くようにすることが大事デス。


オイル漏れの原因は・・・ Ⅲ

続いてタコメーターガイド部! エンジンの回転をタコメーターケーブルに伝える部分です。
ここもWではよくオイル漏れが発生する部分で、分解してみるとギヤシャフトの下側のスペーサーが割れていました。破片を回収できて幸いでした。
中のオイルシールは傷み、小さなOリングが組まれてました。
よく調べると、ガイド本体も寸法がおかしい・・・ 別途製作されたものが組まれていたようです。


ギヤシャフトを磨き、ガイドとスペーサーをストック品に替えました。
新しいオイルシールを圧入した後、シャフトを仮組みしてシールが効く位置にいるか確認します。
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シャフトの研磨面が傷んでいたりしてシールが際どい部分ですが、オイル漏れは止まりました。

オイル漏れの原因は・・・ Ⅱ

ブッシュはリン青銅で製作! ケース内部をよく洗浄した後に慎重に打込みます。
ケースカバーを仮組して合面の平面度もチェックします。


チェンジシャフトを戻し、新品のガスケットを挟んでケースカバーを組み付けます。
キックシャフトの先端がブッシュに収まります。 ミッションオイルを忘れずに!
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続いてフロントチェーンケースカバー。
カバーを外しガスケットをよく取り両方の合面をきれいにします。
再度カバーをあてがって見ると、合面に隙間が出てカタカタいいます。
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チェーンケース中央部のボルトを緩めて再度試すと隙間はほとんど無くなりました。
ケース裏側のボルトとの隙間がなくなるようワッシャーを挟んでボルトを締付けます。
組付けは、フレーム側に無造作にボルトを締め付けてケースが歪まないようにすることが大切! 後でオイル漏れの原因となります。

フロントチェーンが弛んでいたら先に張りを調整します。
ミッション側のオイルシールを新品に交換してクラッチを組付けます。
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オイル漏れの原因は・・・

オイル漏れがひどいブルーのW1SA。
オーナーは19歳のAさん! (若!)
Wに乗っていた叔父さんの写真を見て一目惚れしたそうです。
シフトのリンクは外され、ブレーキ・チェンジペダルはw1S仕様に変更されています。


車体を観察すると、ミッション、フロントチェーンケース、タコメーターガイドからオイル漏れしています。
ミッションケースとケースカバーの合面には拭いてもすぐにオイルの滴ができます。
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状況の悪いミッションから取掛かることにし、ケースカバーを外してみると・・・
なんとキックシャフトのケース側軸受け部にブッシュが入っていません!(写真左側のシャフト孔)
ということは、片持ち支持の状態となり、キックのたびにシャフトがケースカバーをこねていたことになります。
それが原因で合面のシールが悪くなって徐々にオイル漏れを起こしていったと推測されます。
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いったい、外れたブッシュは何処へ行ったのでしょうか?
ミッション内に破片も見当たらないことから、ブッシュが無いまま組まれてしまっていたのでしょうか・・・

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U-CRANK
(ユークランク)

〒418-0006
静岡県富士宮市外神(とがみ)1552-1
代表 植澤 勉

TEL:090-1863-8414
FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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