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クランクピンの剥離

クランクをオーバーホールしていると、ピンの剥離が増えてきている気がします。
長年の使用による「疲労破壊」の現象ですが、小さなものを含めると分解クランクの約3割が剥離しています。
今回の例のように重症の場合はすぐ分かりますが、小さな剥離は分解してみないと分かりません。
剥離部分の修理は不可能で交換するしかありません。剥離が始まる前に整備することをお勧めします。

剥離の発生は、位置的には上死点の手前、ガスの燃焼が始まり一番力がかかる辺りです。



ほとんどの場合がこの辺ですね。
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ニードルベアリング表面も剥離してますが、幸いコンロッドは使えました。
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正常な反対側の気筒はこんな様子です。
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ニードルも正常な場合はこのようにきれいですね。 
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ピンのオイル通路にはスラッジがたまってますね。 回転の遠心力で外側に堆積していきます。
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スラッジが溜まり過ぎると、ある時氷河のように崩れて塊がオイルの中を漂うのでしょう・・・
スラッジは剥離を引起す大きな要因になると思います。





























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シャフト端部の打痕修正とクランク組立て

シャフト端部にダメージを受けたSAクランクです。 組立て前にセンターを修正しました。

センターを再研磨する専用機があるそうですが、時間も経費もないので今回は手修正で行きました。
ダメージ部分に「光明丹」を塗って当りの強いところを探します。



そこを少しづつヤスリで削って小さくしていきます。 やみ雲にやってもドロ沼にはまってしまいます。
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困難の中に光を見出す・・・「光明丹」とはそういう意味だったんですかネ~
40年も使ってきて、やっと考えました(汗)


苦節3年(?)、何度も繰返して、何とか1/100前後に入りました・・・(嬉)
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見栄えは悪いけど、安心して組立てに進めます。
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各部品を手入れして、組立て準備完了が整いました。
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コンロッドのブッシュも入替えて、大端部のホーニングも終了!
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ニードルも入替え済み!
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クランクピンも磨いて一気に組立てマス!
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組立てが順調に進み、芯ぶれも2/100㎜以内に入りましたー!
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メクラを締めて、バランスチェック・・・無事完成しましたー !  (疲)
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やはり上流の工程ほど大事ということですネ~!



















コンロッド小端ブッシュの入替え

Sのクランクです。
各部品の手入れが終わって、組立て待ちの状態デス。



回っていたコンロッド小端ブッシュは入替えました。
下穴が荒れているものが多いので、一旦削ってからブッシュを圧入します。
内径は新品のピストンピンに合わせてホーニングでキッチリ仕上げます。
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大端内径もニードル隙間を調整してホーニングで仕上げます。
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クランクピンも再研磨してキレイに。
初期のクランクピンは圧入部分にショットの痕がありません。締結力を上げるために後で追加されたのでしょうネ。
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新品ニードルを組込みました。 隙間の具合でニードルの太さを選びます。 
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クランク単体での最終チェック。外周フレで1/100㎜位にないと後工程で芯がでません。
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組立て冶具にセットされた「バランサー」です。
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無事組立が済みました。今回の外周芯フレは2/100以内。ズレてない証拠ですネ~(嬉)。
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メクラネジを締めた後にバランスチェック! いじってないのでOH前と変ってないかのチェックです。
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クランクは無事組上りました。 外力を最小にしてケースへ組込むことが肝要ですネ! 














シャフト端部の打痕

続いてSAのクランク
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堆積スラッジの量はSよりチョット少ないか・・・  最近まで走っていた?
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スラッジはL側ピンとR側ピンの対面の隙間に外周側から堆積していくんですネ。 遠心力が働くから。
そこが一杯になってピン穴内部にも堆積し始めています。
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スラッジの様子はクランク毎に皆様子が違います。年輪みたいな感じですネ~。
これまでの運転・整備の履歴が伺えるのかも知れません・・・



ドライブ側クランクピン。剥離が発生する位置ですが大丈夫。 上死点をチョット超えた爆発力が最も強い部分。
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コンロッド大端部内面も剥離はありません。
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問題のクランクシャフト端の打痕跡! ドライブ側クランクです。
ハンマーか何かで叩いた跡があって、センター面が傷んでいます。
このままだと芯出し出来ません・・・
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タイミング側クランクも叩いた跡がありますが、まだ軽傷。
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W1がいくら頑丈でも、乱暴に扱ってはなりません!









コンロッド小端部ブッシュのズレ

ほぼ同時にSとSAのクランクの修理依頼を頂きました。
両クランクとも剥離はなく作業は進行中ですが、それぞれ代表的なダメージがありました。


まずSのクランクから



半月型バランサー内部のオイル通路に堆積したスラッジです。量は通常レベル。
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クランクピンの表面(ニードル転動面)に剥離は見られず、左右気筒ともキレイです。
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コンロッド大端部内面にも剥離はありません。まめにオイル交換されてきたクランクだと思います。
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問題はコンロッド小端部。ブッシュがズレてオイル穴を塞いでいます。
すぐに焼き付くことはないようですが、このままでは組めません・・・ネ
締めが甘くなったためですが、ガタが出て微振動の原因にもなりますので、文句なく入替えします。
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雰囲気潤滑で焼付かないのでしょうが、ガタが多くなったのが幸いしているのでしょうか・・・








ニードル破損

このところ続けて、破損したクランクの修理依頼がありました。
どちらかのコンロッドがガタガタ! 
分解してみると、ニードルが四角に変形し、ケージは大端部内面に張付いています。

幸い、転がり軸受けは破損してもロックしにくいのでしょう。止まるまで何とか回ってくれる・・・
今のところ、完全ロックしたクランクは見たことがありません。

ピン側も大きく損耗してます。 サイドワッシャーもゴリゴリ・・・外れません。
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生産から45年近く経過し、疲労破壊するクランクが増えてきています。


一見正常なクランクでも小さな剥離が発生している場合があります。
ここを起点として破損へつながるのでしょう。
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兆候はあるはずで、早期に気付けば大事に至らない・・・ですが難しい。


見落としてしまいそうな微小な剥離もあります。
転動面に小さな点が3つ・・・ どのクランクもこの辺りに発生します。
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まだしばらくもつかも知れませんが、このまま組むことはできません。
必ず大きな剥離に成長するからです。
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分解のたびに剥離がないのを祈るばかりです。

ローラーベアリングのダメージ

w1~w1S初期型では、クランクを支える両サイドのベアリングは、ドライブ側にはローラーベアリング、タイミング側にはボールベアリングが採用されてました。

このローラーベアリングはインナーとアウターが分離するタイプなので、ドライブ側ケースは簡単に外れます。
但し、アウターはホルダーでケースにしっかり固定されてます。
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インナーはクランクシャフトに圧入されていて、これを抜くのはちょっと厄介!



「w1ファイル」にあるように、ローラーベアリングはクランクシャフトのたわみに非常に弱い !!

このクランクも、インナーの転動面に剥離(フレーキング)が発生していました。
剥離は爆発力を受ける下死点付近の内側で起きています。
クランクのたわみのせいで、内側に応力が集中しているのですね~。
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こんなダメージがあっても、平気で回ってました。・・・w1は強い!
もちろん修理では12玉ボールベアリング(BL307N)に交換します。

色々なダメージ

クランクOHの依頼が増えてきました。
送られてくるクランクの状況は様々で、分解前に明らかに不具合が分かるものから、分解して初めて分かるものもあります。特に単体で長期保存されたクランクは腐食のダメージが多いようです。

写真のクランクは左側のコンロッドが曲がっています。
ロッドは交換するとして、分解を進めていくと・・・


クランクピンの表面に小さな剥離がありました。
今は小さくても、剥離はここを起点に確実に進行しますから、これも使用不可です。
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コンロッド内面の大きな剥離。これくらいになると外からガタで分かります。
相手側のピンもダメージを受けている場合が多いです。
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これはシャフトが曲がった事例。左に傾いています。
エンジントラブルによるものか原因は不明ですが、かなりの力がかかったのでしょうね。
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生産から長い時間が経過し、これからこういうトラブルが増えていくんでしょうか。

コンロッドのダメージ

コンロッド ニードル転動面の剥離。

虫食い状態のクランク

ダメージを受けたクランクピン。外からは分らなかった。

破損したクランク

破損したクランクのコンロッド大端部。
最もダメージの大きな例で、丸かったニードルが四角に変形している。


クランクピンの表面のニードル転動部は剥離している。


オイル通路には大量にスラッジが堆積している。


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(ユークランク)

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TEL:090-1863-8414
FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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