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ガバナー スプリングフックの摩耗修理

弊社では、数年前からガバナーのリビルトを承っておりますが、
依頼品の中に、ウエイトの戻しスプリングのフックの摩耗が進んでいるものが増えてきています。

何か手を打たないと、フックが折れてスプリンが外れてしまうと想像されます。
外れないまでも、適切な進角性能を保てなくなり、良好なエンジン特性を発揮できなくなります。

フックの摩耗の例



ウエイト側の穴の摩耗の例
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何とかしなければと確実な肉盛りの方法を探した結果、「レザー溶接」に行きつきました。
これならば部品を傷めず、摩耗部分を最小限の熱負荷で正確に溶接肉盛りしてくれます。

フック側のレーザー溶接例
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ウエイト側の溶接肉盛り例
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これでより適正な点火タイミングに進角してくれます。
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最近38Tのリヤスプロケットを装着する人が増えてきてますが、
低速の負荷が増すため、2,000回転付近は正確な進角特性が要求されます。
点火進角はフィーリングに影響大で、うまく合っていると「W菌」が大量増殖する訳です。(嬉)

「レーザー溶接」は大分普及してきてますが、まだ工賃が高いのが難点です。
弊社ではリビルト修理の中で、摩耗部分を1カ所2,160円(税込)で別途お受けしております。






















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ガバナの組付け

続いてガバナ装着の様子です。

リビルトしたガバナをケースに差込み、アルミ棒を介して頭を軽く叩きます。



軽く叩いて進まなくなったらOKです。 
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反対側へ回って、カラーとキーを装着します。
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クランクシャフトを回して、カムギヤのBマークとガバナギヤのポンチマークを合せてギヤを嵌めこみます。
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ナットを締めて、ロックワッシャーを効かせます。 
クランクを2回転してギヤの噛みあいが合っているか確かめます。
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コンタクトブレーカーを取付け、点火時期を合せます。
正常の位置(クランクの赤マークが覗き孔の中央)にしっかり合せます。
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ゆっくりキックしてスムーズに回るかチェックします。問題なければYカバーを被せます。


クランクシャフト端のオイルシールリングにたっぷりオイルを塗っておきます。
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Yカバー側にもオイルを塗ってそっと嵌め込みます。
ビスねじを締めて終了です。
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軽く書きましたが、部品を組んだら、手や工具でクランクをゆっくり回して作動を確認してから次に進みます。
回転が重くなったり、異音が出るときは要注意! しっかり確認します。
要所にオイルを塗ることも忘れずに!















ガバナの取出し

前回、キャブを整備することによって、先に組付けていたガバナのリビルト効果を確認できました。
両者が揃わないと効果が感じ難いんですネ~。
そんな訳で、今回はガバナの取出しと取付けの様子をご紹介します。


まずポイントカバーを外し、コンタクトブレーカーを外します。
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これでガバナが覗けますので、スプリングのヘタリやウエイトのガタをチェックできます。
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ガバナの状況が良くないようなら、リビルトをお勧めします。


ガバナを取出すにあたり、まずYカバーを外します。
ショックドライバーを使うと気楽に外せますネ。



Yカバーを外すとギヤ類が現れます。左上がコンタクトブレーカーギヤです。
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ロックワッシャーを解除し、ギヤナットを緩めます。
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ガバナシャフトからギヤを外します。
ここではプーラーで抜いていますが、キーのみですのでプーラーが無くても外れます。
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簡単なプーラーを持っていると、他のギヤを抜く時にも使えます。


ギヤを抜いた後、カラーとガバナシャフトキーを外します。
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シャフトの端を傷めないようにアルミ棒などを当て、軽く叩いて打ち出します。
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無事ガバナ(Assy)が取出せました。
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ガバナーのリビルト③

それではガバナーをリビルトしていきます。

ガバナー本体に新しいシャフトを組付けます。
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分解前と同様、裏側でしっかりカシメて一体化します。
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ウエイトにもカム駆動ピンを打込みます。
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太くなったシャフトに合わせてウエイトの穴をホーニングで広げます。
隙間が最小限になるよう何度もシャフトに嵌めながら少しづつ広げていきます。
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装置は横ホーニングマシン!
ペダルを踏むと、白い砥石が回転しながら張出して穴の中を研磨します。
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無事に仕上がりました。穴の表面の状態も良好です。(嬉)
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部品の加工が終わり、組立てに進みます。
シャフトにグリースを塗布してウエイトを組付けます。
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ウエイトを組んだ後にeクリップで止めてスプリングを架けます。
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ポイント開閉カムを組付け、大きいeクリップで止めて完成です。
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スプリングの遊びは微妙なので、フック側で調整して遊びが無いようにします。

ガバナーを整備すると、エンジンの回転が落着く感じがよく解ります。
特にアイドリングは安定して回ってくれます。

これから40年もって欲しいッス・・・もう居ないけど(汗)

ガバナー単体のリビルト代金は16,000円(税、送料別)です。






ガバナーのリビルト②

点火タイミングとキャブレターの調整は、整備したエンジンの「味付け」にあたりますネ。
料理に例えると、調味料で味を調えますが、これで俄然材料が生きてくるんですネ~。

点火タイミングはエンジン回転数毎にいいところがあって、すなわち「最適点火時期(MBT)」、
それに近くなるようにガバナーで調整されています。

W1のガバナーは回転数に添って遠心力でウエイトを広げてカムを進めている訳です。
スプリングはウエイトの暴走を規制しているんですネ~。


前置きが長くなりましたが、こんな重要な働きを担うガバナーをリビルトします。

まずは分解! ポイント開閉カムを外したところです。



スプリングとクリップを取って両方のウエイトを外します。
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シャフトは少し減っていますネ。
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ウエイト穴の方が広がっている場合が多いですネ。
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ウエイトに打込まれたカムを動かすピンも減っています。
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本体にカシメられているシャフトを後ろからドリルでもんで抜取ります。
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ピンも抜取ります。
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リビルト用の新品パーツです。
シャフトとピンはチョット太くし、表面処理で磨耗しにくくしてありマス!
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「ローテクだから直る」・・・の感が強いですが、ならば徹底的に直そうと思います。















ガバナーのリビルト①

コンタクトブレーカーポイント」、いわゆる「ポイント」は旧車の象徴ですネ。
色々悪さもしますが、これが無いとなんとも寂しく、旧車に乗ってる気がしない・・・(汗)

このポイントを開閉するカムがついているのが「ガバナー」(governor) です!
厳密には、「進角装置(advancer) 」なんですが、パーツリストでは「ガバナー」なので従います。

W1のガバナー、大分くたびれてきて磨耗が進んでいます。



ケースから抜いて単体の状態。
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カムを抜いてウエイトを外しました。
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このガバナーは減っている方で、ウエイトだけ組んでみるとガタガタです。
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ウエイトの穴が広がり、シャフトも磨耗しています。 
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カムを駆動するピンも磨耗しています。
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これは別のガバナーですが、スプリングが外れたり変形したりして悲惨な状態です。
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ウエイトはもっとガタガタ。
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Wのガバナーは新旧2タイプありますが、どちらも磨耗が進んでいます。
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ウエイトのガタは点火タイミングを不安定にします。
点火時期がブレるとエンジンの回転が安定しません。 
信号待ちでのエンストの一因・・・何としても避けたいですね。












コンタクトブレーカーのベアリング入換え Ⅱ

ガバナーは問題なくリビルトできましたが、
なんか、ケース側のベアリングの回転が重いのが気になります。



パーツリストをよく読み直すと、このベアリングは「E/№ W1E50775以降 6200ZZ 」・・・とありました。
安易に、組まれていたのと同じベアリング(2RS)を選択したのが間違いでした。
左が2RS、右がZZです。 カタログによると両者とも「適量のグリースを封入」と書いてます。
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ZZ(シールド付き)に比べて2RS(接触シール付き)は抵抗が大きいのです。
シールが都合5個も付いたら重いわけですよネ・・・やり直します。(汗)


抜いてるうちに、ベアリングとハウジングを測定して締め代も確認しました。
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ハウジングの内径は-20μですから、ベアリングの締め代は約10μ・・・と大き過ぎることはありませんでした。
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再度加熱して無事ZZのベアリングが入りました。回転も大分軽いデス。
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ガバナーシャフト。 オイルシールのリップで荒れた部分もペーパーで滑らかにしました。
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新しいオイルシールは高さを見ながらリップの当る位置をずらして組み込みます。
このオイルシールもリップの当りがキツイですねよネ~。 もう少し緩くてもいいと思うのですが・・・
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ガバナーをケースに組んで回転を確かめます。
オイルシールの抵抗を感じますが、大丈夫でしょう。
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無事にクランクケースに納まりました。
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分ってるようだけど、まだまだですネ~。 

(ZZに変更されたのはなぜなんでしょう。ギヤが邪魔してオイルが回りにくいのかも知れませんネ~)












コンタクトブレーカーのベアリング入換え

「内パス」の記事で、ベアリングの交換について何件か質問を頂きました。
ハウジングを熱膨張させてベアリングを嵌めるのは訓練が必要です。しくじるとリスクが大きいですからネ。
クランクケースに取掛かる前に、小物のコンタクトブレーカーなどで経験を積めばいいかも知れません。


という訳で、早速やってみましょう。
クランクケースから外したコンタクトブレーカーAssyです。 シャフトを後ろから叩いて抜きます。



ストーブで加熱する前に、しっかり洗浄するのは言うまでもありません!
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外側のスナップリングを外しておきます。
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ストーブで加熱。 小さいのですぐ熱くなります。
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ハウジングが緩んでも、ベアリングが張付いていたり出口でひっかかる時があるので、途中、棒で軽く叩いてやります。
必要以上に加熱したくないですからね。
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無事に抜けました。
シールタイプのベアリングは過熱したくないですが、換えるからいいですネ。
最後に、ちょっと径の小さい丸棒でオイルシールを打抜きます。
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ハウジングの汚れを拭き取り、新しいベアリングを入れにかかりますが、 ここで一休みした方がいいでしょう。


改めて加熱します。 ここから内パスの出番ですネ~!
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十分広がったのを確認したら、下側のスナップリングを嵌め、ベアリングが傾かないよう神経を集中して嵌めます。
忘れずにカラーを入れ、速やかに2個目のベアリングを入れます。
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最後に手前のスナップリングを嵌めて終了! ゆっくり冷やしてやることが大事デス。

ベアリングが入口でひっかかった時は、プラハンで高いところを軽く叩いてやります。
「慌てないデ!」と言ってもそれは無理 ・・・・・・「とにかく落着いて!」ですネ~・・・ッ(汗)






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(ユークランク)

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代表 植澤 勉

TEL:090-1863-8414
FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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