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サージング?

今日12月27日、11時頃の富士山です。
朝は雲がかかってましたが、快晴になりました。 北風が強く、頂上は吹雪いてました。




修理に入ったヘッドです。
いつ頃のものかはわかりませんが、
ガイドの形状と組まれたヘリサートの様子から、弊社で整備したヘッドと判断できます。

ドライブ側吸気バルブのトップが笹くれ立っています。
IMG_0006_3_20191227172137516.jpg



別方向から見た状態。
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コッターを外すと、スムーズにスプリングが外れました。
IMG_0009_1_20191227172223eae.jpg



バルブは動くので、笹くれ部分を削り取り、ガイド孔を傷めないようにバルブを抜きました。
タイミング側排気バルのトップもわずかに笹くれ立っていました。
IMG_0019_1_20191227172955103.jpg


幸い、バルブステムは曲がっておらず、ガイドにダメージはありませんでした。
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シートの当り幅も広がっておらず、バルブ交換と軽い摺合せで済みそうです。
IMG_0023_1.jpg

原因を想像するに、
急に起きた様子ですから、過回転でバルブがサージングを起こしたのではないかと思います。
ロッカーアーム側アジャストスクリューの頭にはダメージは無いので、隙間が広過ぎた様子はありません。
もし広過ぎていたら、早くから異音に気づくと思います。
初めての経験ですので、正確なところは分かりません・・・










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ピストン焼付き ②

今回、なぜ左ピストンだけ強く焼付いたのか、その原因は何なのか? 中々理解し難いです。

オイル不足による焼付きは確かなので、それなら、オイルの供給量が左右でどれくらい違うのか実験してみました。

コンロッド無しでクランクを組んで、オイルの代わりに水を供給してピンの孔からの吐出量を調べました。
写真左側(タイミング側)から水道水を送り込んでいます。



水量が多い時は左右の差は無いようです。(写真では左が多く見えますが差は少ない)
IMG_0067.jpg


水量を少なくしていくと、この場合も同じとみていいようです。
IMG_0066.jpg


水が僅かに出るように水栓を絞っても、左側(タイミング側)が多いとは言いきれません。
IMG_0074.jpg


簡単な実験で、しかも水を使っているので確実なことは言えませんが、
クランクピンのオイル孔からの吐出量は左右でほとんど差がないようです。

しかし実際はクランクが回転してオイルには遠心力が働くので、その様子は違ってくるのでしょう。

油量が少ない時は油圧も低いので、遠心力の影響は逆に大きくなり、
ほとんどの油は通路途中の孔(タイミング側)から出てしまうと推測されます。
その下流にある端末の孔(ドライブ側)に油は届かないのかもしれません。

文献によると、ピストンの熱はその70%がリングを通して外に伝わると言いますから、
オイル不足でピストンが焼付くとリングは機能しなくなり、ピストンは温度が急激に上がって膨張します。
ピストンは全周焼付くことになり、裏面に触れた僅かなオイルは冷却どころかすぐに黒く焼けてしまうものと思われます。

簡単な実験ですが、その結果を見ると次の推測が浮かんできます。

何れにしても、気体(混合ガス)や液体(オイルや冷却水 )の流れの解明は一筋縄では行かないですね。










ピストン焼付き

体調を崩してしばらくお休みしてました。 ブログの方も少しづつ復帰していきます。

3年前に整備したお客様のSAが帰ってきました。
オイル不足で停止。翌日補充して再始動したものの、エンジンは片肺になってしまったとの事です。
分解前の確認でも、左サイドから煙が噴き出る状態でした。

ヘッド・シリンダーを外してみると、左サイドのみピストンに強烈な焼付きが起きていました。(焦)
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右サイドのピストンはほぼ正常。 こんな現象はめったにありません。
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シリンダーはすぐに抜けましたが、全周焼付いた跡が残っています。
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右サイドはほぼ正常レベル。クロスハッチも残っています。
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ピストンピンの固着はなく、コンロッドからすんなり外れましたが、
ピストンの裏側を見ると左サイドはまっ黒! 
ピストンが異常に高温になった証拠。焼付くとみなこうなります。(右サイドが正常)
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コンロッド小端ブッシュに変色は見られず、ここまでは問題ないようです。
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エンジンオイルの不足により、オイルの大事な働きである「潤滑」「冷却」の働きが損なわれて焼付いたと思われます。
潤滑不足で油膜が切れ、裏面への冷却が不足してピストンが高温となり全周焼付くほど膨張したことになります。


2つのピストンを見比べて、あまりの違いに驚かされます。 燃調や点火時期は両サイドで大きな差はないはずです。
・油量が減ると、場所によってこれほど違いが出るのか? なんで左サイドなのか?・・・

・オイルポンプから最も遠い左サイドと、ボアピッチ88.4㎜上流の右サイドに供給される油量の差は結構大きいのか、そしてこれほどの差になるのか。 それとも、もっと別の要因があるのか?

・コンロッドのサイド隙間から出るオイルがシリンダーを潤滑し、且つピストンの裏面にかかってピストンを冷却する効果がいかに大きいかが分かります。




気になるクランクのダメージですが、後日分解してみると問題ありませんでした。(左サイド)
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同じく右サイドです。
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ニードルベアリングも問題ありませんでした。
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転がり軸受はオイルの減少にも強いということでしょうか。





























ノッキングによるダメージ


修理依頼を頂いたお客さまのヘッドです。

ヘッド面中央部吸気側にノッキングによる強いダメージがありました。
ガスケットのビード痕に沿ってアルミが剝ぎ取られたように窪んでいます。
IMG_0010_1.jpg


ノッキングのダメージは点火プラグから遠くて高温になる部分に発生しますから、
プラグの反対側、冷えにくいプッシュロッドのトンネル付近、まさにその辺りですね。
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黒い部分は特にダメージが大きく、繰り返しノッキングで攻撃されたのでしょうね。
IMG_0028_1.jpg


通常、プラグで点火された炎は順次広がって全体が燃えますが、ノッキング発生の条件が揃うと、
プラグから遠い未燃ガスは圧縮され、発火温度に達すると勝手に燃えるんですね。
(低速高負荷時は燃焼行程の時間が長く、エンドガスは炎を待たずに発火しやすい)
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プラグに近い部分ではノッキングのダメージはほとんど無いですね。
IMG_0033_1.jpg


ノッキング」 とは異常燃焼のことで、混合ガスがプラグの炎が届く前に勝手に発火する現象です。
低速高負荷、過早点火、高温の条件が嚙合うと混合ガスが自発火するんですね。(ガスの薄過ぎも原因の一つ)
もう、「燃焼」というより「爆発」的にガスが燃えますから、短時間で超高圧になります。
繰返し高圧波を受けると、燃焼室壁面を保護している「静止層」が破壊され、高温に曝されてでダメージを受けるわけです。
ガソリンエンジンの「癌」と言われています。

ノッキングが起きる位のセッテングは、エンジンの性能を発揮してくれる領域に入っているということですが、
大事なのは、ノッキングが起きた時に、早く回避する算段を取ることです。
ノッキングが長く続くことがダメージにつながります。

写真のヘッドは相当なダメージを受けてますが、それまでの間エンジンは高性能な走りをライダーに提供してきたのでしょうね。

W1の場合、ノッキングの原因はガバナーの暴走進角が一番考えられますが、
起きたら、アクセルを緩めるとか、シフトダウンで回転を上げるかして、長くノックさせないことが大切ですね。

「ノックは3回」・・・なんてネ・・・(汗)




























ノッキングダメージ

2年ほど前から、ユークラのブログを見た K さんが時々メールをくれます。
スコットランドに移住した日本人で、日本からW1を取寄せ、現地で走っているそうです。(嬉)

今年春にサイドカーの取付が完成し、満面の笑みで走っている画像が届きました。
unnamed_1.jpg



ところが最近、エンジンが故障してしまったと衝撃的な写真が送られてきました。
ピストンに穴が空いてクラックが走っています。 プラグから一番遠いところ・・・
unnamed[1]
W1のピストンでこんなダメージを受けたものは初めて見ました。(焦)



ピストンを抜いてみるとこのとおり・・・
全体が黒く焼けてますね。
unnamed[3]



ダメージの少ない反対側のピストンも焼付いています。 各ランドも真っ黒ですね。
unnamed[2]

ノッキング(異常燃焼)が発生し、ピストンが溶けてしまったようです。
ガスが薄かったのか、点火タイミングが早過ぎたのか原因は定かではありませんが、
低速で、しかもサイドカーの負荷も大きいので、ピストンが強くダメージを受けてしまったようです。

ノッキングが続くと、その部分でピストン温度が猛烈に上り、アルミが解けたり割れたりするんですね。


何とかしてやりたいと只今準備中・・・デス。(汗)

















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代表 植澤 勉

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FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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