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クランクオーバーホール

クランクのオーバーホール、久々のアップです。 タイプは後期型、W1SAかW3のクランクです。
手入れが終わって組み立て前の状況です。



ドライブ側のピンです。 オイル孔の位置で分かりますネ。剥離があったために交換しました。
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コンロッドも片側交換。 大端部をホーニング、 隙間も調整済です。
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小端部のブッシュも入替えました。ピンとのクリアランスもバッチリです。
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ニードルも新品。
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サイドワッシャーも大切! 組んだ時のサイドクリアランスも極めて重要!
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剥離したクランクピン。 ロッドに縦ガタが出たらほとんどこの状態になってます!
コピー ~ IMG_5190


180度裏側の状態。
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コンロッドも剥離。
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ニードルもボロボロ。
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スラッジもしっかり溜まってました。
コピー ~ IMG_5184

交換する部品がなくなったらお終いですね・・・(辛)
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コンロッドの銅メッキは・・・

分解したコンロッドの表面は40年間の汚れで黒くくすんでいる。
鉄ブラシで擦りながら洗浄するとまるで生返ったように銅メッキの輝きが戻ってくる。
なぜ銅メッキなのかと言うと・・・
銅メッキは防炭の働きをするから、メッキしたコンロッドを浸炭してもコチコチに硬くはならない。
硬すぎると脆く折れやすくなるので必要以上には硬くしないのだ。
大端部などしっかり硬くしたい部分だけ銅メッキを取ってそれから浸炭をかけるのだ。

コンロッド小端部のオイル穴

注意して観察すると、クランクの部品だけでも色々なところが設計変更されている。
コンロッド小端部のオイル穴のあけ方も写真のように2種類ある。左のように2つの穴が中心線上に並んでいるものと、右のように中心線に対し反対側にオフセットされているものとがあり、オフセットされたのはかなり後期のクランクのようだ。
オフセットの効果は解らないが、潤滑性能をより確実にしようという設計開発者の努力が伺える。
また、両者とも、穴の面取りはしっかり取られているが、これはもう非常に大事でこれが無いとピストンピンの潤滑は怪しくなる.
学生時代にはこの部分の潤滑の理論はよく解らないとされていたが、現在では解明されているのだろうか。
ピンが小端穴との狭い隙間の中でクチュクチュと動いてオイルを引き込むのだと聞いた。
『エンジンは燃焼に始まって潤滑に終わる』 と教えられたが、潤滑の大切さを教えている。


コンロッドのサイドワッシャー

コンロッドの両サイドに組込まれるワッシャー2枚。
内側が大きく面取りされているワッシャーは外径Φ57、内径Φ39.1、厚さt3.4。クランクシャフト側に付く。
薄い方のワッシャーは外形Φ57、内径Φ39.4、厚さt2.7。センタークランク側に付く。
2枚とも浸炭後に両面研磨されている。


ワッシャーの面取りの理由は、ピンの根元のスミRとの干渉を避けるため !!
スミRはクランクの強度を保つのにとても重要なのだ。


各部の測定②

クランクピンの外径測定はマイクロメーターを使う。
写真は外径Φ39に対して-12μを表示している。
圧入部分のピン径は根元近く(ニードルの転動部)に対して5μ前後細くなっている。
圧入によって細くなったと推測される。
オイルが通るピン中心の穴径はΦ15、ピンの端面にはスラッジの痕が残っている。

各部の測定①

センタークランクの穴径の測定。
クランクピンが圧入されるΦ39の穴をシリンダーゲージで測定する。
内径、真円度、円筒度をドライブ側とタイミング側それぞれの方向から測る。
圧入式だから当然穴径はピン径より小さく、圧入代(ピン径との差)は80~100μmある。この値はかなり大きい。

特製ニードル

コンロッド大端部のニードルベアリング。
クランクの性能に大きく影響するため、専門メーカーに特注した。
外径は純正よりわずかに太く、両サイドはクラウニングされてある。
左右各20本づつケージ(保持器)にセットして組み込まれる。

ピッチサイズ表示

クランクシャフトドライブ側。赤い溝は上死点前5°の表示。
その下の「2」の刻印はシャフトとピンのピッチサイズのグループ分け表示。(ピッチはストロークの1/2)
刻印は1から3まである。
メーカーは加工完成後にピッチのバラつきを測定してグループ分けする。
左右同じグループ同士で組み立てて芯出し精度を保つのだ。



別のクランクのタイミング側。ピッチサイズの刻印は「1」と打たれてある。
ほとんどのクランクは左右同じ数字の刻印だが、稀に「左1、右2」とか「左2、右3」のものがある。

w1のコンロッド

大端部は内径Φ47・幅18。穴径に対して幅が狭く十分なリブのおかげで変形が少ない。
小端部は内径Φ19・幅24.5。軸間は152。曲がっているものは今まで皆無。優れもの!!
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クランク剛性アップ

W1クランク ドライブ側。
圧入されるピンの先端から数cmはショットがかけられられ曇っている。(タイミング側も同様)
これは生産時に、圧入部の締結力を高めてクランクの剛性をアップしようという目的で行われるもの。
大変手間がかかっているクランクです。

ウエッブ(センタークランク)の新旧

勝手に命名! 左が「前期型」右が「後期型」。 乗り味はどう違う?

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FAX:0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com

当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。
従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。
W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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