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トライアンフボンネビル T120 1972・・・④(クランク組込み)

ケースにクランクAssyを組み込みます。

ケースライトサイドを加熱して、クランクシャフトに嵌め込みます。

(加熱は主にベアリング)


クランクとベアリングを一体化するため、ワッシャーが設定されています。
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タイミングピニオンを嵌めてナットを締め込みます。
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ケースを裏返して合面を上にし、クランク上部の空間に2本のカムシャフトを組み込みます。
クランクドライブ側はローラーベアリングです。
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ギヤボックスを見なければ、W1のケースと一緒ですね。


合わせ面に液体ガスケットを塗布してケースレフトサイドを嵌め込みます。
クランクが軽く回るのを確認しながらボルトナットで左右のケースを締結します。 
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再びライトサイドを上にします。
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タイミングマークを合わせながら、アイドラーピニオンとカムシャフトピニオンを組み込みます。
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左側の吸気カムシャフトのギヤは、オイルポンプ駆動ピンが一体のナットで締付けます。
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カムシャフトは2本ですが、ダイナモやガバナ―のスペースも無いし・・・コンパクトですね。 
タペットやオイルパンの口が開いてないから、ケースの剛性も高いですね。
















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トライアンフボンネビル T120 1972・・・③(クランクケース)

トライアンフエンジンのクランクケースです。
初期型の、エンジンとギヤボックが別々な「別体」構造に対し、後期型はいわゆる「一体」型になりました。非常にコンパクトに出来ています。

カムギヤ・ポンプ・ミッションが付くライトサイド。



シリンダーが入る上面。前後の小さい孔にはプッシュロッドのタペットが組まれます。
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チェーンケースが一体のレフトサイド。
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後方はギヤボックス。
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前方、フレームに搭載するボスの造形。
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ケースを左右に割るとご覧の通り。
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ライトサイドにしっかりギヤボックス(箱)が形成されています。
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思い切った設計ですね!
小型で軽量、機能や整備性が考慮された優れた設計だと思います。
高い鋳造技術もあったからできた構造ですね。
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早速、新品のベアリングを組み込んでいきます。
ケースを加熱してベアリングのハウジンングを膨張させ、ベアリングを嵌め込みます。
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アルミの本体に直接嵌め込まれます。
締め代が管理されてあれば、一番しっかり保持されます。
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トライアンフボンネビル T120 1972・・・②

クランクピンの再研磨が上がってきました。
クランクピンの研磨はオフセットできる専用の研磨機が必要で、技術もいります。
今回は、信頼できる腕の良い研磨屋さんにお願いしました。


写真では分り難いですが、クランクピンがきれいに研磨されています。



ピン径はΦ40.95に仕上がってます。
STDのΦ41.20~25に対して約0.25㎜(0.01in)落としたことになります。
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アンダーサイズ(メタルが厚く内径が小さくなる )のコンロッドメタルを組み込んだ様子。
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コンロッドボルト・ナットは最重要パーツ。今回はナットを新品にしました。
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コンロッド本体とキャップには位置マークが刻印されていて、元通りに組めるようにしています。
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アンダーサイズのメタルを組んで、指定トルク(3.9㎏m)で締付け、内径をチェックします。
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測定の結果、メタル隙間は50μm ちょっと広目でした。


ちなみに、コンロッドAssyの重量は448g
W1のコンロッド重量は420~470gですから、ほぼ中間ですね。
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小端のブッシュも入れ替えて新しいピストンピンに合わせました。


コンロッドを組む前に、クランクシャフトにフライホイールを止めているボルト3本を締付けます。
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ネジロックを付けて緩まないように。
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クランクをプレスで固定してしっかり締付けます。締付けトルクは4.6Kgm。
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クランクピン内にオイルチューブを差し込みます。(右が新品)
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サイドからプラグを締付けます。
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締め付け後、ゆるみ止めにポンチを打ちます。
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いよいよコンロッドを組付けます。
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クランクが組み上がりました。
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正面から。
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サイドから。
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トライアンフボンネビル T120 1972・・・①

昨年の仕事ですが、トライアンフT120エンジンを整備させて頂きました。
その様子を何回かに渡ってご紹介します。

日頃W1に浸かっている身にとって、大きな刺激となりました。
各部品の形状や構造の違いから、その設計思想を想像すると大変興味深いです。


エンジンはミッションとクランクケースが一体のタイプです。
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キャブレターはアマル製でファンネル付きです。
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エンジンはバラバラで入ってきましたが、何とか組み上がって納車できました。
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各部品を見ていくと、
最も気になるのはやはりクランクですね。 一体型。
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バランサーが間欠のW1対し、央部にドーナツ型のフライホイールが嵌まってます。
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有名なアルミコンロッド。 メタル表面は傷んでますね。
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組立式コンロッド。 メタルを組んでボルト・ナットを規定トルクで締付けます。
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大端部内径とクランクピン外径を測ると、メタルクリアランスは使用限界近くまで摩耗してました。
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アンダーサイズのメタルが入手できるので交換し、それに合わせてクランクピンを再研磨に出しました。










トライアンフのクランク

イギリスの名車 “トライアンフ” クランク整備の依頼がありました。
TR6 Trophy 649㏄ 1968年製のクランクです。
一体クランク、アルミコンロッド・・・W1とは大分様子が違いますネ。
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コンロッド本体はアルミ鍛造製! キャップは鉄鍛造製! 他にあったっけ?思い出せない・・・
有名なE.ターナーの設計(1937)、柔軟な発想というか 合理的というか・・・天才ですネ。
ドライブ側はローラーベアリング、タイミング側はボールベアリングでケースに保持されます。
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コンロッドを外した状態、大端部はメタル軸受けです。
クランク中央にドーナツ状のフライホイールが圧入され3本のボルトで固定されています。
このフライホイールは頼もしいですネ~(ッ)!
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独創的なコンロッド!
クランクピンを研磨し、新しいメタルを組んで隙間調整しました。
小端ブッシュも入替えました。ピストンピンとシックリです。
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このクランク、どんな走りをしてくれるのか楽しみですね~。
「オートレース」トライアンフ全盛期だった頃のT120を思い出しました。
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【アクセス】
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FAX: 0544-58-2427
e-Mail:
info@u-crank.com



当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。

従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。

W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。

お気軽にご相談ください。

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