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w1sエンジンのOH 23

ポンプシャフトの太くなった部分を小さなヤスリで擦り落としているところです。
シャフトを強引に抜くと、ハウジング側の孔を傷めてしまうので絶対禁物です。
シャフトがスムーズに抜けるまでせっている部分を注意深く削っていきます。
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やっとシャフトが抜けてポンプを分解することができました。
センタープレートを挟んで、左側がオイルをタンクからエンジンに送るフィード側ポンプ、右側がエンジンからタンクへ戻すリターン側ポンプです。
部品に大きなダメージがなければ再使用できます。オイル通路をよく洗浄して丁寧に組立てます。
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長年の運転により、どのポンプでもローター表面は荒れています。特にリターン側の痛みがひどいです。
これは、エンジン内部の磨耗で出たスラッジがオイルに混じってポンプを通過するときにローターに挟まって表面を傷つけるためです。
残念ながら、新品部品がないので、軽く磨いてから組み付けます。
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w1sエンジンのOH 22

シリンダーをボーリングしている間に、オイルポンプをOHします。

写真がオイルポンプAssy! 鋳鉄製のハウジングの中にトロコイドポンプが2段内臓されています。
ポンプ駆動ギヤを外した後に4つのビスを緩めてクランクケースから分離します。
ガスケットで張付いているので、ハウジングを横から軽く叩いて外します。
.

シャフトの根元をよく見ると、ギヤが入る座の部分が変形して太くなっています。
程度の差はあるものの、必ずここが変形していて、シャフトはすんなり抜けません!
(運転中のクランクシャフトの振れがポンプのギヤをあおっているためと考えられます)

シャフトに打たれたピンを抜いてから、2本のビスを緩めてポンプAssyの分解にかかります。
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3段式のハウジングは2本のノックピンで位置決めされているので、ピンをアッパー側の孔から交互に少しづつ打ち出せばうまく分離できます。
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ロアーハウジングがピンと一緒に外れ、リターン側トロコイドポンプのローターが見えます。
下部のボールはチェックバルブです。
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w1sエンジンのOH 21

ピストンにリングを組込んで新旧を比べて見ました。
ピストン頭部は燃焼室を変えないよう同じ形になってますが、トップリング溝から下は大分違いますネ。
スカート部は相当吟味してプロフィールが決められていることでしょう。
指定通りのクリアランスで組めば焼付きの心配は無用です。


下の2枚の写真を比べてみると、リングが薄幅になったのがよーく分かりますネ!
フリクションの低減や軽量化など、リングは薄幅がいいのは解っていたが当時は中々作れなかった・・・
薄幅リングの登場はまさにこの間のエンジンの進化の象徴と言えるでしょう。
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高圧ガスの機密保持、ピストンからシリンダへ熱の伝達、オイル消費低減・・・とリングの役割は重大デス!
薄いリングの実現は、スチール化や表面処理、潤滑解析などなど、あらゆる技術の進歩の結晶なんですね。
排ガス浄化と燃費低減のためにリングの改良は今後もずっと続くのでしょう。
このピストンとリングはw1にも最新技術を注入してくれる超優れものだと思いまス !!
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w1sエンジンのOH⑳

このW1Sエンジンには評判のいい社外品ピストン(s社製)を組むことにしました。
写真左側が今まで組まれていた純正ピストン、右の2つが0.5OVの新品ピストンとリング、ピンです。


純正と比べると、頭部の形状は一緒ですが、スカート下部やピン受け部の形状は異なります。
現在のピストンとしてはオーソドックスな形ではありますが、耐久性をよく考慮して設計されたのでしょう。
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スカートの肉が厚く、ピストン単体では純正より重いですが、リングとピンを合計した重量は純正とほぼ同じになっています。
ピンとリングが軽い分をピストンの強度アップに回したのかも知れません。
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3つの部品の合計重量はクランクのバランス率と関わるので重要です。

w1sエンジンのOH⑲

ケースにクランクを組込みました。クランクの回転も軽いです。
快調なエンジンを組上げるためには、この時点で軽く回ることを確認しておくことが大切です。


クランクをケースへ組む様子は前にも書いたので、今日は組込み工具を紹介します。
手前がタイミング側、奥がドライブ側の組込み工具、片側づつ使います。
まず工具をシャフト先端のボルトでクランクに固定します。
次に工具のナットを回してフランジを押してケースをクランクにはめ込む理屈です。
逆にフランジを介してケースを引抜けば分解することができるので、分解・組立て両用です。
w1のパーツはヤワではないけれど、組む時にクランク・ケース・ベアリングには余計な力を懸けたくありません。
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タイミング側クランクシャフトの先端につくオイルポンプピニオンボルト逆ネジでピッチも2種類あります。
このクランクではp:1.5ですが、後期にはp:1.25になっています。いつから切替ったのか正確には分りません。
工具としては両方使えるようにボルトを交換式にしてあります。
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逆ネジは緩み防止の目的ですが、知らないでネジ切ってしまったクランクをよく見ます。要注意デスネ!

w1sエンジンのOH⑱

サイドベアリングを圧入する前にケース側ハウジングの内径を測定します。
通常、ハウジングはベアリングの外径より僅かに小さく出来ていて、組むとベアリングアウターを少し締付けます。
ベアリング外径とハウジング内径の差、いわゆる「締め代」の設定は大変微妙で、大きすぎるとベアリングの回転が重くなり、小さいとアウターが回ってしまいます。

ベアリングの性能を保つために、アウターの内径は真円でしかも適切な締め代でいて欲しいのですが、
実際は変形していて、楕円だったり内径が広がって緩くなったりしています。 
その修正は簡単ではないので、ここでは真円度と締め代の把握に留めています。


続いて、油圧プレスでベアリングを圧入します。
ケースやベアリングに余計な力がかからないようにセットして、平行に押していきます。
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タイミング側ケースも同様に!
中に馬をかってケースを浮かしてハウジング部だけに力がかかるようにします。
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ベアリング圧入後、タイミング側ケースにはベアリングホルダーをネジ止めします。
後で緩まないよう締付け後にポンチでカシメて終了です。
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クランクの性能を引出すために、この辺はとても重要なのです!!

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e-Mail:
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当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。

従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。

W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。

お気軽にご相談ください。

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