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腰下(ケースとクランク)のOH ⑤

エンジンの腰下を構成するのはクランクシャフトとクランクケース !!         
クランクと共にケースの組立ては細心の注意が必要です。

w1のように、クランク両端軸受けのタイプではベアリングに大きな負担がかかります。
運転中のクランクの変形も受け止めなければならず、w1の歴史の中でベアリングは何回か仕様変更されています。
開発資料を見ると、最終仕様に落着くまでの苦労は大変なものがあったようです。

結果について評論するのは簡単ですが、クランクの変形を吸収することを考えると、
ドライブ側もしかるべくしてボールベアリングになったと思います。
しかも、最終型はベアリングホルダーまで廃止して見事です。
DSC00152_convert_20120128181136.jpg

両サイドのベアリングはケースハウジングの変形や締代をチェックして慎重に圧入します。
タイミング側は両側からプレートでしっかりホールド!


ケースへの組立ては、まずクランクをタイミング側に圧入します。
そしてカムシャフトをセットします。忘れたら悲劇ですネ。
軸受けには油を忘れずに!(カムに着いている赤いものはグリース状の組立てオイル)
DSC00154_convert_20120128181215.jpg

ケース合面に液体ガスケットを塗ってドライブ側をはめ込み、締結ナットを均等に締め付けます。
ケースを正立にし、組立て冶具でクランクが軽く回転する位置を探します。
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無事に腰下が組み上がりました。クランクの回転も軽いです。(嬉)
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腰下(ケースとクランク)のOH ④

各部の洗浄(オイル通路は徹底的に) → クランクピンのラッピング → コンロッド大端孔の内面ホーニング → ニードルの組替え → 各部寸法測定・・・と作業を進め組立ての準備が出来ました。
20120118+005_convert_20120118224422.jpg

もう一つ、組立て前にD側・T側クランクシャフト単体でフレが無いかチェックします。
フレが出るのはシャフト端のセンター孔が傷んでいる場合が多く、シャフトが曲がっていることはまずありません。
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圧入工程を経て芯出し調整をします。
フレは左右ともシャフト外周で2/100mm以内に入りました。芯のフレで言うと1/100mm以内ということになります。
この後、オイル通路のメクラを締め込んでバランスをチェックして完了です。
20120118+007_convert_20120118224657.jpg
剥離があったものの、その後の組立ては順調に進みました。(嬉)

腰下(ケースとクランク)のOH ③

代わりのドライブ側クランクが見つかりました。これでOHが再開できます。
左側が代わりのクランク、右側が剥離が見つかったクランクです。
クランクの芯がしっかり出るようピッチのグループ表示が同一のものを使います。
20120116+001_convert_20120116204643.jpg

剥離が見つかった同一部分の状態。
整備前なのでローラーの転がり跡は残っていますが、ピン表面の状態は良好です。
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シャフトの根元の「2」の刻印はピッチのグループ表示。
(ピッチのグループ表示については2011,4,22に書いたので割愛します)
20120116+005_convert_20120116204812.jpg

腰下(ケースとクランク)のOH ②

クランクを分解しました。
バランサーのピン穴中央部に三日月型に堆積したスラッジが見られます。
このクランクのスラッジは、量は通常レベルですが、乾いていて、最後の運転から大分時間が経っているように推測されます。
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ドライブ側クランクピン外周面に小さな剥離が発生していました。
残念…毎回ショックを感じます。
剥離の場所は上死点を過ぎた辺り、爆発力がかかり始める位置ですね。
コンロッドの方は大丈夫でした。タイミング側もOKです。
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クランクピンの剥離は必ず進行しますから、このまま組むことは出来ません。
転動面はメッキなどの修理は効かないので、この部分は交換するしかありません。


ドライブ側(左側)のニードル表面にも一部に剥離が見られ、全てのニードルの表面が荒れています。
20120104+035_convert_20120104224437.jpg
剥離はタイミング側でも起きるので、過負荷や潤滑不良で疲労が進むと、わずかに条件の悪い側で先に発生するのでしょう。

新年おめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。
U-CRANK 代表の 植澤 勉 (ウエザワ ツトム)です。
いつもブログを見て頂いてありがとうございます。
今年もw1を元気にしながら、興味深いエンジンのお話も紹介していきます。
今年は龍年! 私の年デス! 全開で頑張龍(リュウ)ゾ~・・・(汗)
どうぞよろしくお願い致します。


元日の富士山
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当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。

従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。

W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。

お気軽にご相談ください。

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