fc2ブログ

フロントチェーンケースの組立て

フロントチェーンケースを組んでいきますが、
ここでは、「ケースの固定」と「チェーンの張り具合」の2点の注意が必要です。


まず、フロントチェーンケースを4本のボルトでクランクケースに組み込みます。( ガスケット挟む)
スイングアームとの干渉を避けて、いい位置を出します。



ケースの裏とチェーンケースマウンテングナット端面とのすき間をチェックします。
IMG_0026_20170418191134f7f.jpg


スペーサー(ワッシャー)を調整して隙間にピッタリにします。
隙間があるままボルトを締めるとケースが歪んで、後でオイル漏れの原因になります。
IMG_0035_20170418191154d70.jpg



次に、チェーンの張りを調整するために、スプロケットとチェーンを仮組みします。
張りは、ミッションを前後に動かして調整します。(固定ボルトを緩める)
IMG_0043_201704181912290c5.jpg


張り具合は微妙ですが、張過ぎると各部に負担がかかり、パワーもロスします。
緩すぎると走りがギクシャクして異音も出ますから、「緩からず、張り過ぎず」ですが、その加減が難しい。
IMG_0042_20170418191208a37.jpg
w1は丈夫ですから、トライ&エラーを経験しながら加減を見つけるといいと思います。(汗)
張りが決まったら、ボルトを締めてミッションを固定します。


クラッチを外し、目玉形のシールプレートを組付けます。(裏表に注意して新品オイルシールを組み込みます)
IMG_0001_1.jpg
角断面のシールも交換します。(右下は既に組付けたミッションのオイルシール)


既にミッションの位置を決めてあるので、シールに負担がかかりませんネ。
IMG_0045_20170418191305eff.jpg


ワッシャーを噛まないようにボルトを締めてロックの爪を起こします。
IMG_0046_20170418191306e20.jpg


スプロケット・チェーン・クラッチを本組みしてっワイヤーロックしたところです。
IMG_0055.jpg





実はこの車体、分解したときに異常が見つかりまして、カバーを外した時に大きな鉄片が落ちてきました。(焦)
写真のように、クラッチハウジングの一部が欠落していて、手に持っているのがその破片です。
IMG_0020_2.jpg
ケース内の空間に落ちていたのでしょう。嚙み込まれなくて幸運でした。


ハウジング単体の写真です。
こんなトラブルも起きるんですね!(冷汗)
IMG_0036_201704212146163dd.jpg
他にダメージはなくて、ハウジング(ストック)とクラッチデスク(新品)のみ交換しました。

















スポンサーサイト



エンジンスプロケットの組付け

エンジンスプロケットを組む前に、ミッションメインシャフトのオイルシールを交換します。
フロントチェーンケースの油汚れがひどい場合は、ここからミッションオイルが漏れている可能性もあります。


まず、エンジンスプロケットのスペーサーを外します。緩いのですぐに出てきます。



隙間にオイルシール抜き工具を差込んで古いオイルシールを抜き出します。
IMG_0005_1.jpg


オイルシールのハウジングをきれいにしておきます。
IMG_0007_1_20170416210008706.jpg


スペーサーの外周も細かいペーパーをかけてきれいにしておきます。
IMG_0009_201704162100102d8.jpg


新しいオイルシールのリップにグリスを充填し嵌め込みます。
IMG_0010_1_201704162100116ec.jpg


次いでスペーサーを嵌め込みます。
IMG_0014_20170416210153f0f.jpg


今回は、エンジンスプロケットを新品にします。
僅かにオフセットされてますので、歯が手前にくるように組込みます。
(歯数の刻印に惑わされないこと)
IMG_0017_1_2017041621015479c.jpg


30㎜のフランジワッシャ-とナットを組み込みます。
ナットを手でいっぱいに締めた後にワッシャーの爪2つ分位ナットを戻し、スプロケットに少しガタ持たせます。
ナットの溝と合うところの爪を起こしてそれ以上ナットが緩まないようにします。
IMG_0020_1_2017041621015860a.jpg
(ガタの大きさは個人の判断で決めて下さい)


エンジンスプロケットはシャフトに対して多少ガタを持たせた方がシフトチェンジがスムーズにいくようです。
なぜなのか正確な理由は分かりませんが、チェーンの動きに対してガタがあった方がいいのでしょうね。
他の車種でも、ガタを持たせた止め方の構造が多いですね。
IMG_0022_20170416210159e3e.jpg










ヘッドの組付け

ヘッドAssyを組付けます。

ヘッドボルトが傷んでいることはめったにありませんが、ワッシャーは要注意!
傷んでいるワッシャーは即交換ですね。座面の状態が悪いとトルクが喰われて軸力が出ません。



ネジ部とワッシャー座面にしっかりオイルを塗って締付けます。(4~5kgm)
IMG_0020_20170415220555ff0.jpg


少し時間をおいて、落着かせてからトルクを再チェックするといいですネ。
新品ワッシャーでもトルクが少し落ちる時があります。
IMG_0018_201704152206083ea.jpg


プッシュロッドを挿入して、ロッカーカバー取付けの準備。
IMG_0002_1.jpg
フレーム上でエンジンを組むときは、ここからの作業が一番厄介かも知れませんね。
うまくフレームを潜らせてロッカーカバーを被せます。


ガスケットを挟んで、ガイド(櫛)でプッシュロッドの位置を決めます。
IMG_0003_1_20170415220655fe7.jpg
クランクを少し回して、プッシュロッドがリフトしてない(少ない)位置にすると組み易いですね。


ご存じ、 輪ゴムをかけてロッカーアーム受部を突き出させておきます。
IMG_0008_1_20170415220736e9b.jpg
ロッカーカバーを被せたら、アームを横に動かしてプッシュロッドが一緒に動くかチェックするとちゃんと入っているか確認できますね。


均等にボルトを締めて、無事装着されました・・・(ホッとしますネ)
(タペットカバーは仮組み状態)
IMG_0009_1_20170415220738ccd.jpg


オイルパイプを組付けます。
IMG_0024.jpg

ロッカーアームシャフト、プッシュロッド上下端、ボルトネジ部にしっかりオイルを塗って組んで下さい。





























ダイナモの組付け

ダイナモを本組みします。

クランクシャフト先端のオイルポンプ駆動ピニオンを外しておくと作業し易いですね。



左サイドからダイナモをいっぱい押し込んで、シャフトにシムとキーを取付けます。
IMG_0002_20170411170106dc5.jpg


チェーンとダンパーラバーは新品にしておきます。
IMG_0004_20170411170108f01.jpg


ダイナモシャフトとアイドルシャフトのキーを合わせてスプロケットを組込みます。
IMG_0005_20170411170109f32.jpg


前方から覗いて、チェーンとケース端面が平行になっているかチェックします。
基本的にはシムで調整しますが、ダイナモを前後に微調整してクランプバンドを絞める手もあります。
IMG_0007_20170411170111ace.jpg


アライメントが出たら、ロックワッシャーを挟んでナットを絞めます。
IMG_0010_20170411170135ff1.jpg


オイルポンプ駆動ピニオンを組付け、ロックワッシャーを起こします。
シールリングにオイルを塗り付けます。
IMG_0016_1_201704111701406fa.jpg


4つ(クランク、カム、ダイナモ、ガバナー)のロックワッシャーを起こし、
ベアリング・ギヤ・チェーンにをたっぷりオイル注してからガスケットを挟みます。
IMG_0015_1.jpg


クランク先端のシールリングをそっと入れるようにYカバーを取付けます。
ケースとカバーに隙間が無いのを確かめてからビスを締付けます。
IMG_0021_20170411170141a50.jpg

Yカバーはいつ見てもいいッスネ~。




















シリンダー挿入

引き続いてエンジンの組立を進めます。

フロント側のブラケットを取付けてクランクケースをフレームにしっかり固定します。
ダイナモも仮組みしておきます。
IMG_0003_3.jpg


ピストンを取付け、サークリップがちゃんと溝に入っていることを確認します。
IMG_0001_5.jpg


ピストンピンを前後に動かして、サークリップがしっかり受けてくれるか見ます。
そしてリングを組込みます。
IMG_0010_2.jpg


組付け後、トップ、セカンドリングの位置や裏表が間違ってないか何度もチェックします。
IMG_0012_2.jpg
合口の位置はあまり気にしませんが、左右に回して3本とも溝の中でスムーズに動くかチェックします。


反対側のピストンもしっかり確認。
そのあと、リング溝やスカートにたっぷりオイルを塗り付けます。
IMG_0013_3.jpg


今回から、リングコンプレッサーをグレードアップしました。
IMG_0016_1.jpg


期待通りの働きで、シリンダーにスンナリ挿入されました。(嬉)
IMG_0019_5.jpg
エンジンの性能はリングが命! 絶対傷めてはなりませぬ。


クランクを回してピストンを上下させながら、ナットを少しづつ絞めてシリンダーを固定します。
IMG_0025_5.jpg


今回も軽く回ってくれるように組めました・・・(嬉)
IMG_0030_2.jpg


























腰下の搭載

整備が済んだ腰下をフレームに搭載しました。



エンジンをそっくり組んでしまうと大きくて重くなるので、腰下を組んだら搭載ます。(楽)
IMG_0043.jpg


フレームを痛めたくないので、ホースを切って保護カバーにしてます。
IMG_0045_20170404192845173.jpg


これなら一人でも載せられますネ~!
IMG_0046_201704041930149d3.jpg
エンジンを降ろす時もこの要領ですね。


予めフレームを掃除しておくときれいに組めますネ。
IMG_0047.jpg


オイルホースの取付けを忘れて再登載・・・(泣)
IMG_0051_201704041928478ad.jpg


昔は、「エンジンはAssyにして搭載するもの・・・」と思ってましたが、フレームをエンジンスタンドと考えればいい訳で、
「エンジンは車の一部、より楽しく走るために整備する・・・」と思うと、楽に組める気がしますネ~ (汗)






























最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

u-crank

Author:u-crank
U-CRANK
(ユークランク)

〒418-0006
静岡県富士宮市
外神(とがみ)1552-1

代表 植澤 勉

【アクセス】
電話: 090-1863-8414
FAX: 0544-58-2427
e-Mail:info@u-crank.com


当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。

従来困難とされてきたクランクシャフトも全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。

W1は製造されてから既に40年以上経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。

お気軽にご相談ください。

検索フォーム
リンク
最新トラックバック
月別アーカイブ