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ピストン焼付き ②

今回、なぜ左ピストンだけ強く焼付いたのか、その原因は何なのか? 中々理解し難いです。

オイル不足による焼付きは確かなので、それなら、オイルの供給量が左右でどれくらい違うのか実験してみました。

コンロッド無しでクランクを組んで、オイルの代わりに水を供給してピンの孔からの吐出量を調べました。
写真左側(タイミング側)から水道水を送り込んでいます。



水量が多い時は左右の差は無いようです。(写真では左が多く見えますが差は少ない)
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水量を少なくしていくと、この場合も同じとみていいようです。
IMG_0066.jpg


水が僅かに出るように水栓を絞っても、左側(タイミング側)が多いとは言いきれません。
IMG_0074.jpg


簡単な実験で、しかも水を使っているので確実なことは言えませんが、
クランクピンのオイル孔からの吐出量は左右でほとんど差がないようです。

しかし実際はクランクが回転してオイルには遠心力が働くので、その様子は違ってくるのでしょう。

油量が少ない時は油圧も低いので、遠心力の影響は逆に大きくなり、
ほとんどの油は通路途中の孔(タイミング側)から出てしまうと推測されます。
その下流にある端末の孔(ドライブ側)に油は届かないのかもしれません。

文献によると、ピストンの熱はその70%がリングを通して外に伝わると言いますから、
オイル不足でピストンが焼付くとリングは機能しなくなり、ピストンは温度が急激に上がって膨張します。
ピストンは全周焼付くことになり、裏面に触れた僅かなオイルは冷却どころかすぐに黒く焼けてしまうものと思われます。

簡単な実験ですが、その結果を見ると次の推測が浮かんできます。

何れにしても、気体(混合ガス)や液体(オイルや冷却水 )の流れの解明は一筋縄では行かないですね。










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ピストン焼付き

体調を崩してしばらくお休みしてました。 ブログの方も少しづつ復帰していきます。

3年前に整備したお客様のSAが帰ってきました。
オイル不足で停止。翌日補充して再始動したものの、エンジンは片肺になってしまったとの事です。
分解前の確認でも、左サイドから煙が噴き出る状態でした。

ヘッド・シリンダーを外してみると、左サイドのみピストンに強烈な焼付きが起きていました。(焦)
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右サイドのピストンはほぼ正常。 こんな現象はめったにありません。
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シリンダーはすぐに抜けましたが、全周焼付いた跡が残っています。
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右サイドはほぼ正常レベル。クロスハッチも残っています。
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ピストンピンの固着はなく、コンロッドからすんなり外れましたが、
ピストンの裏側を見ると左サイドはまっ黒! 
ピストンが異常に高温になった証拠。焼付くとみなこうなります。(右サイドが正常)
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コンロッド小端ブッシュに変色は見られず、ここまでは問題ないようです。
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エンジンオイルの不足により、オイルの大事な働きである「潤滑」「冷却」の働きが損なわれて焼付いたと思われます。
潤滑不足で油膜が切れ、裏面への冷却が不足してピストンが高温となり全周焼付くほど膨張したことになります。


2つのピストンを見比べて、あまりの違いに驚かされます。 燃調や点火時期は両サイドで大きな差はないはずです。
・油量が減ると、場所によってこれほど違いが出るのか? なんで左サイドなのか?・・・

・オイルポンプから最も遠い左サイドと、ボアピッチ88.4㎜上流の右サイドに供給される油量の差は結構大きいのか、そしてこれほどの差になるのか。 それとも、もっと別の要因があるのか?

・コンロッドのサイド隙間から出るオイルがシリンダーを潤滑し、且つピストンの裏面にかかってピストンを冷却する効果がいかに大きいかが分かります。




気になるクランクのダメージですが、後日分解してみると問題ありませんでした。(左サイド)
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同じく右サイドです。
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ニードルベアリングも問題ありませんでした。
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転がり軸受はオイルの減少にも強いということでしょうか。





























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当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。

従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。

W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。

お気軽にご相談ください。

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