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白煙・・・「オイル下がり」「オイル上がり」 ②

次に、「オイル上がり」の原因となるシリンダー側の摩耗を調べてみました。
いわゆる「ピストン隙間」がどのくらいになっているのか、ピストンの外径とシリンダーの内径を測ります。

測定には、マイクロメーターとシリンダーゲージを使います。



ピストンはΦ74㎜のSTDサイズです。
スカート部分は焼付き跡もなくとてもきれいです。
リングは幅全体が当たって、ベタ当たりな感じですね。
IMG_0043_20191024175850a14.jpg


ピストンの測定点は、スカート下端から約5㎜のところ。一番径の大きいところをさがします。
左サイドピストンの径はΦ73.932㎜ 基準径Φ74.000に対して‐68μmです。
( このくらいのサイズのピストンでは、新品時で20~30μmは小さい)
IMG_0022_2019102417410057f.jpg


同じく、右サイドのピストン径はΦ73.926㎜ -74μmですね。
IMG_0025_20191024174101f30.jpg
この値には、ピストンの摩耗だけでなく、スラスト力によるスカート部の変形量も含まれているのでしょう。


次に、シリンダー内径の測定ですが、マイクロメーターを74.000㎜にセットします。
IMG_0026_20191024174103a35.jpg


その値をシリンダーゲージに転写します。
IMG_0027_20191024174104be2.jpg


シリンダー内径を測定します。 
(マニュアルに従い測定点は、シリンダー上面から10㎜、60㎜、下端から20㎜の高さで、前後方向と左右方向)
IMG_0031_20191024174107bae.jpg


左サイド中央前後方向、+54μmあります。
IMG_0030_20191024174811008.jpg


測定結果です。
IMG_0029_20191024174810cea.jpg
これによると、ピストン隙間(シリンダー内径とピストン外径の差)は一番広いところで、
左サイドが122μm、右サイドが139μmとなります。
新品時はマニュアル指定の50~70μmの隙間だったでしょうから、それに対してかなり広くなってます。
しかし、前記したように変形分も含んでますから、全て摩耗分ではないでしょう。
新品時のシリンダーの内径は、今回測定した上端・下端の寸法に近いんでしょうけれど。



シリンダー内面、クランク側から見た摺動面の様子。
IMG_0036_20191024174834bde.jpg
中央部、ほぼ全周についている線は、長い間リングが停止していて腐食した跡だと思います。


ピストンリング下死点から下にはクロスハッチがしっかり残ってますね。
IMG_0034_20191024174832416.jpg


ヘッド側から見た様子。
強く光っているところがリングの摺動した跡です。
IMG_0038_201910241748359f1.jpg

ピストン隙間が大きくなると、リングの合口が広がり、ガスやオイルの漏れが増えます。
ピストンの変形やリングとシリンダー摺動面の摩耗は「オイル上がり」の要因になるんですね。





























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