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トライアンフボンネビル T120 1972・・・②

クランクピンの再研磨が上がってきました。
クランクピンの研磨はオフセットできる専用の研磨機が必要で、技術もいります。
今回は、信頼できる腕の良い研磨屋さんにお願いしました。


写真では分り難いですが、クランクピンがきれいに研磨されています。



ピン径はΦ40.95に仕上がってます。
STDのΦ41.20~25に対して約0.25㎜(0.01in)落としたことになります。
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アンダーサイズ(メタルが厚く内径が小さくなる )のコンロッドメタルを組み込んだ様子。
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コンロッドボルト・ナットは最重要パーツ。今回はナットを新品にしました。
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コンロッド本体とキャップには位置マークが刻印されていて、元通りに組めるようにしています。
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アンダーサイズのメタルを組んで、指定トルク(3.9㎏m)で締付け、内径をチェックします。
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測定の結果、メタル隙間は50μm ちょっと広目でした。


ちなみに、コンロッドAssyの重量は448g
W1のコンロッド重量は420~470gですから、ほぼ中間ですね。
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小端のブッシュも入れ替えて新しいピストンピンに合わせました。


コンロッドを組む前に、クランクシャフトにフライホイールを止めているボルト3本を締付けます。
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ネジロックを付けて緩まないように。
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クランクをプレスで固定してしっかり締付けます。締付けトルクは4.6Kgm。
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クランクピン内にオイルチューブを差し込みます。(右が新品)
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サイドからプラグを締付けます。
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締め付け後、ゆるみ止めにポンチを打ちます。
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いよいよコンロッドを組付けます。
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クランクが組み上がりました。
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正面から。
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サイドから。
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トライアンフボンネビル T120 1972・・・①

昨年の仕事ですが、トライアンフT120エンジンを整備させて頂きました。
その様子を何回かに渡ってご紹介します。

日頃W1に浸かっている身にとって、大きな刺激となりました。
各部品の形状や構造の違いから、その設計思想を想像すると大変興味深いです。


エンジンはミッションとクランクケースが一体のタイプです。
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キャブレターはアマル製でファンネル付きです。
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エンジンはバラバラで入ってきましたが、何とか組み上がって納車できました。
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各部品を見ていくと、
最も気になるのはやはりクランクですね。 一体型。
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バランサーが間欠のW1対し、央部にドーナツ型のフライホイールが嵌まってます。
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有名なアルミコンロッド。 メタル表面は傷んでますね。
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組立式コンロッド。 メタルを組んでボルト・ナットを規定トルクで締付けます。
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大端部内径とクランクピン外径を測ると、メタルクリアランスは使用限界近くまで摩耗してました。
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アンダーサイズのメタルが入手できるので交換し、それに合わせてクランクピンを再研磨に出しました。










クランクのボルトは逆ネジ

これもクランク周りのダメージということで紹介します。

正式名は「ボルト、オイルポンプピニオン」 
Yカバー内でクランクピニオン・オイルポンプピニオンを締付けているボルトです。
緩み防止のために逆ネジになってますが、知らずに緩めようと左に回すと最悪の場合ネジ切れしてしまいます。


六角の頭が千切れてしまうと、ネジ部分を除去するのに一苦労します。
ネジ切るくらい締めてますから、簡単には緩みません。

幸い、ボルトは柔らかいのでネジ底径よりちょっと小さいドリルで揉んでネジの腰を落とします。


ここでは、テーパーリーマーを噛ませてネジを緩めています。
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今回は無事ネジ部を外すことができました。
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クランクシャフトの端部を傷めると、クランクOH時の芯出し精度を落としてしまうので注意深く扱わないとなりません。
カムギヤの締め付ナットとここのボルトの2カ所が逆ネジですので要注意です。











メインスタンドの改修 おさらい

過去の記事を見直すと、メインスタンドの改修を始めたのが2013年の秋でした。
以来、6年の間に約120本改修させて頂きました。20本/年のペースですね。

開始以来時間が経っているので、最近の例で改修の内容を おさらいしてみました。

先日依頼のあったスタンド2本です。
どちらもパイプ部分の曲がりはほとんどありません。(曲がっていれば先に修正します)

1本目は中期型のタイプ、そこそこのヤレ具合です。



接地部のプレートはちゃんと付いてますが、今見るといかにもキャシャですね。
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もう1本の方は後期型のタイプですが、かなり損耗しています。
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ペダル側は接地プレートが摩耗して、穴が開いてます。
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もう一方の側は、接地プレートは無くなっています。
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どのように直すかというと、
まず左側、傷んだ接地部を切り取って、特製のRを付けたプレートに替えます。
補強版を挟んでパイプ部とプレートを治具で溶接します。
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同様に右側も下部を切り取って溶接します。
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その後、左側にペダルのアームを付けますが、根本は三角板で補強します。
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アームを20㎜延長。 腕を伸ばして起こしやすくします。(テコの原理)
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溶接が完了しました。
この後、表面を整えて塗装します。
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改修には新品のシャフトが付属します。
シャフトの摩耗もスタンド立てが重くなる要因です。
ナット締付の反対側がフレームステーの穴の中で叩かれて摩耗するんですね。
そこで、ステーと当たる部分だけ高周波焼入れで硬くして摩耗を防ぎます。
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メッキ前だと焼き入れの様子が分りますね。


古いフレームを裏返しにしてシャフトを当ててみると、耐摩耗処理の様子が分りますね。
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このフレームのプレートは穴が摩耗で広がったので、修理のために一部切り取ってあります。
修理は、専用の補強プレートを用意して溶接する予定です。


塗装が済むと完成です。
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e-Mail:
info@u-crank.com



当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。

従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。

W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。

お気軽にご相談ください。

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