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クランクのバランス率 再考 (Ⅲ)


各部分の処置が済んで、組立に進みます。
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クランクピンのニードル転動部分に剥離が無いか丹念にチェックします。(ドライブ側)
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裏側もチェック。
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同様タイミング側もチェックします。
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このように、初期のクランクピンには圧入部分にブラスト処理がありません。
後から追加になったのでしょう。


コンロッド大端部内面は、内径をホーニングして適切な径に仕上げます。
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小端部は、ブッシュを入替え内径をホーニング。
新品のピストンピンで1/100㎜の公差で仕上げます。
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ニードルは僅かに太い特注新品に組み替え。
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無事組み上がりました。 点火タイミングをリマーク。
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管理ナンバーをスタンプ。
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肝心のバランスチェック。
どの角度でも止まる重さにバランスウエイトを調整します。
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OH後のバランスウエイトは403.6gでした。
やはり、実績ある平均的なウエイト352gより51.4g重いです。
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クランクのバランス率 再考 (Ⅱ)

バランサーを調べていくと、
両者では、彫の淵の部分の幅が違うことが分りました。

一般的なバランサーを測ってみると、
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幅は9㎜弱。
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今回のバランサーは、




幅は10㎜ちょっとあります。
裏・表とも180°に渡って1㎜厚いですから、お尻が重くなる訳ですね。
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半周だけど、フライホイールの最も大事な部分、慣性モーメントに効いてきます。
「W1の魅力」 を生み出す核心の部分です。(と思ってます)



続いて、コンロッド重量も測ってみると、
ドライブ側が441g。
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タイミング側は453gと、
両者とも平均より重い部類に入ります。
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あとでバランス率の計算で必要になるので、小端部の重量も測りました。
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ドライブ側は171gで全重量に対する小端部の重量比率は0.39
{コンロッドに両サイドのシムとニードルベアリング(96.5g)分も加えると小端部の重量比率は0.32
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タイミング側は174.6g(同0.39)
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組立てて、バランス率を計算してみましょう・・・










クランクのバランス率 再考 (Ⅰ)

先日、「クラッシック サイクル東京」様から 初期W1( W2かも) クランクのOH依頼を頂きました。

届いたクランクをよく観察してみると、いつも扱っているクランクと比べてあちこち違う部分があります。
両端のクランクシャフトの頭部がつるんと丸いですね。



クランクピッチのグループ表示も1~3ではなくてAの刻印。
タイミング側クランクシャフト外周には、通常オイル孔(ベアリングで塞がれる)が空いてますが、このクランクにはありません。
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分解前の芯ブレチェックの値は良好でした。(振れは少なかった )
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バランスをチェックしてみると、
標準バランスウエイトでは足りず、50gほどウエイトを追加してやっと釣り合いました。
すなわち、普段のクランクに比べ、50gお尻が重いクランクということになります。
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クランクを分解してみると、バランサーの彫の形状が違います。初めて見ました・・・
下の標準的なバランサーと比べると彫の角のRが小さく、明らかに鍛造型が違いますね。これがお尻が重い原因でしょうか?
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W1Sまでの標準的なバランサーです。 彫の深さは上とほぼ同一です。
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重量を比べてみると、5.4㎏とむしろ軽めです。 軽いのにお尻は重い・・・
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こちらは5.6㎏。 
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ちなみに、後家さんで残っているバランサーを全部測ってみました。
右側の4個は後期型ですがそれらも含めて、重量はほぼ5.6㎏でした、
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クランクAssyのバランス率はかなり変ってきますね。 
お尻の重い原因はどこから来てるのでしょうか。 両者では重心の位置が異なるということ?
次回は、この原因を調べていきます。

























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e-Mail:
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当社「U-CRANK」はカワサキバイクW1エンジンのOH(オーバーホール)を行います。

従来困難とされてきたクランクシャフトも完全分解して特製ニードルに交換します。
精度の高い組立てはエンジンの振動を減少し快適な走行を実現します。

W1は製造されてから既に40年経過しています。
分解するとオイル通路に堆積したスラッジによりダメージを受けているクランクが少なくありません。
故障する前に是非早期のOHをお勧めします。

お気軽にご相談ください。

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